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【専門職を価格で選ぶこと】専門職の判断によって置かれた状況が異なっていることを多くの人は知らない|行政書士阿部総合事務所

October 27, 2015
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約 6 分

 

キビシイことを言うようですが、「価格」だけで専門職を選んでいると、「価格」に見合った仕事しかしてくれない可能性があります。

もちろん、専門職の姿勢として、そういったことがあってはいけないのですが、事実としてあるのは一般の方は知ることがありません。

ナゼかといいますと。

専門職を比較する機会がほとんどの方にないからです。

例えば、遺言書を作ろうと思ってAという専門職のドアをノックしました。

遺言書の案文を作るのなんて、その人をヒアリングして清書すれば終わりでしょ?

と、思われる方もいらっしゃるのですが、実際の作業は全く違います。

相続人を確定し、相続財産を調べ、その人の想いを実現する遺言書を一緒に作るのは結構骨が折れる仕事です。

しかし、「価格」に見合った作業に落としこむことは実は出来るかもしれません。

と、フワッとしたことを書くのはイヤなので、事実を書きますと、価格相応のお仕事をすることは出来るのです。

B専門職に依頼したところ、やけに早く案文が完成し、変更をお願いしても嫌な顔をされて、それを遺言書とすることが当然のような嫌な雰囲気になってしまった。

”そんな事あるかなあ”と思われるかもしれませんが、ありますよ、事実として。

 

 

もう一つ例を挙げましょう。

企業の場合には、連携してお仕事をする場合には業務委託契約を結ぶ場合があります。

A専門職に依頼した場合には、両社をヒアリングして、パワーバランスに配慮しながらも、クライアントの不利益にならない条項を入れつつ、法律的に誤りのない契約書を作る。

X社とY社との業務委託契約書を作るのは、一般の方が想像する以上に大変なの作業です。

ですが、簡単に済まそうと思えば出来なくはない。

インターネット上に転がっているひな形に会社名を当てはめてアレンジして、ハイ!完成といった場合もあります。

ある企業様に訪問した際に見せられた業務委託契約書は専門職に依頼したそうですが、それはそれは酷い代物でした。

 

 

専門職に相談したい!と思い、下調べを「価格」で行ったとしましょう。

遺言書 安い

契約書 格安

といったキーワードで検索したとして。

 

遺言書を安く作ることができる専門職

契約書を安く作ってくれる専門職

がたくさん見つかると思います。

 

 

「価格」で専門職を選んでしまうのには、理由が二つありまして。

1.そもそも比較しようと思わない。

相談が終わったその足で他のBという専門職へ相談には行きませんよね。

さんざん下調べをしてA専門職に相談するに至っているはずです。

なので、A専門職する仕事しか、あなたは知ることが今も将来もありません。

依頼する側も、他の選択肢があったかもしれない、とは通常は思いません。

勇気を出して、専門職に相談に行くときには信頼して行きますでしょ。

だから、その専門職が出した結論が絶対のものになるのが普通なのです。

そもそも、比較しようなんて思わないのです。

 

 

2.比較の仕方が難しい。

なぜ、私たちがあらゆるものを価格で比較するのか、知っていますか?

分かりやすいからです。

1万円なのか、5万円なのか。

価格の価値は決まっているので、誰にでも子どもにでも高い安いの判断は出来る。

だから、先ずは「価格」で比較する。

これは誰でもやっていること。

家電製品の場合には、次に「機能」で比較しますよね。

価格は高いけど、吸引力が凄すぎる掃除機

とかですね。

 

その時にですね、価格の次に判断したい分かりやすい指標がない。

だから、価格一本勝負になってしまうんです。

もともと、扱っている「商品」が「権利」という目に見えないものなのである意味仕方がないことなのですが。

 

 

 

・そもそも比較しようと思わない。

・比較の仕方が難しい。

だからといって、価格だけで専門職を決めてしまうのは止めたほうがいいです。

 

 

以前、私がかかわったお客様のことで、こういった感想を持ちました。

 

 

ご主人様が亡くなったときに、単に相続の処理をするのではなく、そのご家族が置かれた状況に相応しい手続さえしていてくれればこんなことにはならなかったのに。

 

その専門職にそれだけの配慮をする能力がなかったのか、よく分かりません。

 

が、ただ、一つだけ言えることは。

 

専門職の判断によって置かれた状況が異なっていることは普通の人は知ることがない。

 

一人の専門職が事務的に作業を流したばかりに、残されたご家族が大変な苦労をしている。

これは事実です。

 

念のためですが、他者を貶して私自身の仕事の質を持ち上げる、といった趣旨ではありません。

言いたいのは、こういうことです。

 

どの専門職に依頼しても、結果は同じ。

と思っているのなら、それは間違いだということ。

 

では、専門職に依頼する際には、どこに気をつければ良いのでしょうか?

何に注目するのか?

価格以外のどこを見ればいいのか?

 

 

専門職があなたに与える「価値」に注目してください。

 

遺言書を作ることによってあなたが得たいものは何ですか?

「遺言書を作った」という事実だけが欲しいのでしたら、「価格」で選んだほうがいいです。

遺言書を作ることによって、遺族が相続争いに巻き込まれることもなく、遺産の配分も適切になされ、安心して余生を送ることが出来る「安心感」を得たいのであれば、「価格」だけではなく、「価値」にも注目してください。

 

契約書を作ることによってあなたが得たいものは何ですか?

口約束を紙にしたいという、それだけでしたら「価格」のみで専門職を選びましょう。

ですが、将来起きるかもしれないトラブルを想定し、当事者双方に不利益が及ぶことがなく、今後も良好な関係を築き上げることができるような「安心感」を得たいのであれば、「価格」だけでなく、「価値」に注目して専門職に依頼をしてください。

 

 

専門職にお仕事を依頼することの意味は、究極的には、

「お金」を「安心」に変えること

に他なりません。

 

あなたがこれから依頼しようとしている専門職、今まで依頼した専門職は、

あなたの大切な大切なお金を「安心」に換えてくれましたか?

 

About The Author

行政書士行政書士阿部隆昭
創業支援と資金調達に強い東京都北区赤羽の行政書士阿部隆昭。
事業計画書作成支援、創業融資申請サポート、補助金助成金申請、契約書作成、ビザ申請など、中小企業支援業務をメインに業務を行なっています。
業務経験20年の知見をフル活用し、クライアント様の事業運営をサポートします。