準備万端で開業、といったものでは決してなく。
どちらかと言えば、開業するしか選択肢がなかったという感じでした。
たまたま、司法書士試験を受験していた流れで受けていた行政書士資格があったので、行政書士事務所で開業しようと。
行政書士登録、事務所名を決めたり、今思えばホントにバタバタで決めました。
大変だったなあ笑
とりあえず、「行政書士●●事務所」にしないととか。
●●には、「阿部」を入れることになるんだろうけど、フルネームなのかどうするかとか考えて。
当時は、2級FPとAFPも持っていて、行政書士よりもFPも広げたいという気持ちもあったので、「総合」という文字を入れて「行政書士阿部総合事務所」
行政書士会に申請する直前に決めたんじゃなかったかな。
懐かしい。
コネ無し、人脈無し、経験無し、資金無しで開業なんて、なんて無謀なことか。
当時に戻って僕にアドバイスするなら、とりあえず今は止めろ、というだろうなあ。
だけれども、当時の「勤務先」をやんどころない事由で辞めることになり、とはいえ、精神的にも限界だったので時期としては最適解なのだったですが。
さて、開業に至る思い出話は、誰の役に立つものでもないので、本題へ。
行政書士事務所開業当時、これはやって良かったなと思うことは、チラシポスティングです。
ポスティングを業者さんに依頼する、のではなく、チラシを自分でデザインし、自分で印刷をかけ、そのチラシを自分でポスティングする、という意味のチラシポスティングです。
何が良かったというと、もうこれはホントに計り知れない。
まず、ポスティングというマーケティング手段の周辺が見えてきます。
ほとんどのケースは、自分でチラシを撒くなんてことはせず、業者に依頼すると思いますが。
自分の足を使って、チラシポスティングをする地域を見て回ることがまず今後の行政書士業務にとって有益すぎる無二の経験。
そのチラシのターゲット顧客がどのようなエリアのどのような住宅なのか?
そこで圧倒的に頭を使います。
反響率が低ければマーケティングにかけて費用を無駄に失うことになるので、真剣になります。
そこで、データやリストを作ったり、調べたりするでしょう。
これが生きたマーケティング手法の一つ。
机上のものではなく、現場に出てみることはとても大切だったことは、後になってから分かります。
例えば、当職の場合は、創業支援系の業務も多く、また創業スクールなどに講師登壇する機会も何度もあります。
その際に、講師自身が実際にチラシポスティングした経験を、自分の口から話ができることは、受講生さんにとっては現実味の話として受け入れてくれるのです。
業者に委託して、業者から反響レポートをもらっているのではなくて、自分でやっていますからね。
そこが何より強い。
そして、これって、忙しくなってからでは現実問題として出来ないんですよね。
開業時の暇な時期だからこそ、真剣に取り組めるわけで。
さらに、チラシ作成、チラシポスティングを重ねるうちに、どのような商品・サービスがチラシポスティングなどの紙媒体のプロモーション手段と親和性があるかもわかってきます。
これはつまり、広告費を無限に使うことをしなくていいことにも繋がります。
自分で考えて自分で決める
という、経営者に必須のスキルを培う絶好のチャンスなのです。
行政書士阿部隆昭