はじめに
補助金申請のご相談で最も多いのが、「補助金がもらえるなら何かやりたい」というシンプルな動機です。この発想は軽率なのでしょうか?
実はそうとも言い切れません。この記事では、行政書士として数百件の申請支援に携わる立場から、この思考が“きっかけ”として優れている2つの理由を具体的に解説します。

1. 自己資金負担が発生するからこそ、経理全体を見直すトリガーになる
補助金は「経費の◯%を補助」という“率”で支給されます。たとえば補助率2/3の場合、残りの1/3は自己資金が必須です。さらに、補助金は後払いであるため、いったん全額を立て替える資金繰りも必要になります。
この自己資金負担が、結果として企業に大きなメリットをもたらします。
自己資金負担がもたらすメリット
- 資金計画の再点検:銀行残高やキャッシュフローを棚卸しするきっかけになります。
- 経費構造の可視化:どの経費が補助対象になるかを選別する過程で、無駄なコストを発見しやすくなります。
- 内部統制の強化:領収書の保管や事業別の会計処理など、監査対応レベルの帳簿整備が進みます。
結果として「補助金をもらえるかどうか」よりも、「数字を正しく把握できる組織体制」を手に入れることが重要なのです。
2. “何をやりたいか”を具体化する思考訓練になる
補助金は目的外使用を禁じる事業計画型の資金です。つまり「何かやりたい」という漠然とした状態では採択されず、“何を、なぜ、いつまでに”を具体的に言語化する必要があります。このプロセスこそが、経営戦略のアップデートに直結するのです。
思考が深まる3ステップ
- 強み・弱みを棚卸し:どの領域に資金を投入すべきかを定めるため、SWOT分析が不可欠になります。
- 事業環境を整理:市場動向や競合状況を調べ、補助事業が本当に効果的かを検証します。
- KPIとロードマップを設定:補助事業が終わった後、売上や生産性がどう向上するかを数値で示します。
この一連の思考訓練は、補助金の有無を問わず、事業計画の質を底上げします。「もらえるなら考える」ではなく、「考えるためのツールとして活用する」という視点に立つことで、補助金は経営の推進剤になります。
まとめ:補助金は“モノサシ”と“拡大鏡”
「もらえるなら何かやりたい」という発想は、一見曖昧に聞こえるかもしれませんが、実は、
- 資金繰りを見える化するモノサシ
- 自社の強弱を映す拡大鏡
として機能します。
補助金が採択される・されないに関わらず、経理体制と事業構想をブラッシュアップできるメリットが残る──これこそが本質です。
もし「うちも挑戦できるかな?」と思われたら、まずは耳から情報収集してみませんか?

🎧 ポッドキャスト:行政書士阿部隆昭の「補助金と経営の交差点」
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