2026年7月14日更新
龍角散のトローチ「クララ」の事例は、社内の思い入れと市場の評価が一致するとは限らないことを示しています。撤退か継続かで意見が割れたときは、声の大きさではなく、小さな実験と事前に決めた指標で判断することが重要です。
「クララ」はどのような商品だったのか
龍角散の公式沿革では、「クララ」が1964年に発売されたことを確認できます。以前のこの記事では、2016年当時の日経トップリーダーで紹介された事例をもとに、販売終了に反対する社員へ結果を納得してもらうため、期間限定でテスト販売を行った経緯を紹介しました。
この個別の社内経緯は龍角散の公式沿革には掲載されていないため、現在の記事では、当時の雑誌記事で紹介されたケースとして扱います。重要なのは一つの商品の評価ではなく、撤退判断を社内でどう共有するかです。
撤退に反対が起きる3つの理由
- 思い入れ:長く関わった商品ほど、過去の努力と今後の投資を分けにくい
- 一部の顧客の声:熱心な利用者の声を市場全体の需要と捉えやすい
- 失敗の回避:撤退を「これまでの判断が間違いだった」と受け止めてしまう
小さな実験で判断する手順
- 仮説を言葉にする:誰が、なぜ、いくらなら買うのかを明確にする
- 期間と範囲を限定する:一部地域、既存顧客、予約販売などで試す
- 先に判断基準を決める:販売数、粗利、継続率、問い合わせ数などを定める
- 終了条件も決める:基準未達なら追加投資を止める
- 結果を共有する:賛成・反対の双方が同じ数字を見て判断する
新規事業や設備投資では、「補助金があるから始める」のではなく、補助期間が終わった後も顧客が選ぶ事業かを検証する必要があります。補助金は実験や投資を後押ししますが、需要そのものを作ってくれる制度ではありません。
一次情報:龍角散「歴史・沿革」
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