資金調達と外国人雇用に強い行政書士阿部総合事務所

認定経営革新等支援機関(中小企業庁)

「オレをもっと育てろ!」【東大留学生ガッカリ、「日本での就職」の現実】|行政書士阿部総合事務所

October 19, 2016
3302 views
約 5 分

iria-flavia-spanish-44165-h

東大留学生ガッカリ、「日本での就職」の現実~日本企業で働きたいのに働けないのはなぜか~

東大留学生ガッカリ、「日本での就職」の現実 | 就職・転職 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準東大留学生ガッカリ、「日本での就職」の現実 | 就職・転職 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

当時の現役外国人留学生が感じた日本での就職が難しい理由が東洋経済オンラインに掲載されていました。留学生ご本人が日本の就職事情をどう思っているかが読み取れます。

日本での就職が難しい理由を4つ挙げているのですが、結論から言うと、大切なのは日本語力なんだなあとわかりますね。

日本での就職が難しい4つの理由

1.ビザ

在学中に仕事が見つかれば問題はないが、日本には就職活動用のビザがないため、留学生が卒業後に仕事を探す場合には「特定活動」と呼ばれるビザステータスに変更しなければならない。申請には、パスポートや戸籍謄本などの身分証明、直前まで在籍していた大学からの推薦状などのほか、1カ月ごとに就職活動状況に関するレポートの提出が必要で、手間も時間も非常にかかる。

俗に言う「就職活動ビザ」は他のビザと比較して簡単に取得出来る方のビザです。学校側がビザ変更手続きに協力してくれるので、違法な変更がなされる恐れも少ないので、要件さえ揃っていれば難しいことではありません。少なくとも、日本での就職が難しい理由とは若干ニュアンスが異なります。

 

2.就活時期

日本での就活スケジュールは、誰もが3月に卒業することを前提としており、時間的な柔軟性に欠ける。私を含め9月卒業の留学生の多くは、就職活動の時期も、卒業の時期も企業の予定とうまくマッチしない。

制度的な問題なのでこれは致し方ないですね。であるからこそ、就職を確実に決めている留学生の中には知人との繋がりを積み重ねながら、日本の就活時期に左右されない就職活動を行っている方もおります。

 

3.日本語

就活をするにあたってまず大変なのはエントリーシート。いくつもの企業に対して、説得力のある回答を日本語で書くのは容易ではない。いざ書類審査を通過して面接に進めたとしても、英語で面接できる会社はほとんどない。今どきの若い日本人でさえ満足に使えない敬語を外国人が操るのは至難の業だ。

「日本人でさえ満足に」敬語が使えないということはさすがにないとは思いますが、日本で日本企業に就職する以上は、身に付けて欲しい能力の基本中の基本はビジネスで使える日本語力。しかも、すぐに使える日本語力です。実際のところ、日本語学校の勉強期間はそのためにあるのですから、厳しいかもしれませんが就職したいなら最低「N2」レベルの日本語力は欲しいというのが受入れ企業の率直な意見です。

 

4.情報不足

各企業のホームページで外国人従業員の人数を調べたり、日本の学生と一緒に会社説明会に参加したり、「マイナビ」など就活サイトをチェックしたりするが、これを「読みこなす」にも相当の日本語力が必要だ。

情報不足についても、日本語力が備わっていれば解消されます。読みこなすには相当な日本語力が必要、であるなら、その日本語力を身につけるほかありません。

 

何よりも大切なのは、日本での就職事情をどう捉えるかは、外国人留学生のキャリアプランニングに直接影響することなのでしっかりと考えて欲しいと思います。せっかく日本で留学した経験が無駄になってしまうので、時間もお金もとてももったいないことです。

日本の制度がどうあるべきだとか、企業の受入体制をもっと外国人に対して優しいものになっていて欲しいと主張するのもわかりますが、そう言っているうちに就職の機会はどんどん失われてしまうかもしれません。

 

さらに、文中では、

まず日本企業に知ってもらいたいのは、私たち外国人はリスクではなく、アセット(資産)だということだ。私たちが有する能力やスキル、多文化への対応力などは、今後日本が世界市場へ打って出ていくために必ず役に立つはずだ。そのためには、単なる通訳としてだけでなく、私たちを企業の戦力として扱い、育ててもらいたい。

とあります。

「育ててもらいたい」

この言葉で思い出したことがあります。

私の前の職場でも、「オレをもっと育てろ!」と経営者に悪態をついて退職していった方がおりますが、成長したいのであれば、”会社に育ててもらう”、という意識ではなく、それぞれが与えられた持ち場の中で最大のパフォーマンスを発揮して自分から成長していかなければなりません。

外国文化、外国人ならではの慣習があるように、こういった意識が企業では当たり前になっていることも日本人の慣習なのかもしれません。

日本での就職が難しい理由のメインの部分は日本語力で解決することが可能です。

現に、私が就労ビザへの変更をお手伝いした外国人留学生の方は、現在のN2レベルの日本語からさらにブラッシュアップしてN1取得を目指しています。

記事にもありますように、国としては留学生にかかわらず外国人の受入れに積極的です。

制度が後押ししているのですから、風は少なくとも逆風ではないはず。

外国人留学生の皆さんは、様々な困難を乗り越えて来日されたのですが、日本語力を磨き上げて希望通りの就職が出来るようにして欲しいですね。

行政書士阿部総合事務所 行政書士阿部隆昭

 

 

 

About The Author

行政書士行政書士阿部隆昭
創業支援と資金調達に強い東京都北区赤羽の行政書士阿部隆昭。
事業計画書作成支援、創業融資申請サポート、補助金助成金申請、契約書作成、ビザ申請など、中小企業支援業務をメインに業務を行なっています。
業務経験20年の知見をフル活用し、クライアント様の事業運営をサポートします。