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民法の考える遺産分割の方針

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相続に関連する書籍や、インターネット・新聞などのメディアの影響もあってか、相続人が取得する法定相続持分については一般に良く知られています。

旦那さんが亡くなって、相続人が奥さんと子供一人だったら相続分は半分づつといったようなことです。

 
ところが、遺産の分け方については、「相続人全員で話し合う」といった事ぐらいしか知られていない。

このような規定があることは意外と知られていませんが、民法には、遺産の分け方について基準となるものを定めた条文があります。

 

第906条(遺産の分割の基準)
遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

遺産分割はこういった基本方針でしてくださいと、民法が指針を示してくれています。

遺産の種類や性質を考慮すること。
相続人の年齢・職業・健康や生活などにも気を配ること。

 

この条文は、下記の判例にもあるように、考慮すべき事項を示してくれただけ。

(東京高決昭42・1・11判タ209-201)本条はその相続分に応じ、現実に遺産に属する個々の財産の帰属をどのように定めるかにつき、考慮すべき事項を定めたもので、法律上定まった相続分を変更することを許した規定ではない。

しかし、遺産分割について相続人の間で争いを解決する一般的基準としては十分に有用だと思います。

 

 

第900条(法定相続分)
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

 

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