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『推定相続人の地位』期待権はあるが具体的権利はない|行政書士阿部総合事務所

相続は何よって開始するかというと、そうでうすね。

人の死亡によって開始します。

条文にもその旨はしっかりと規定されています。

第882条(相続開始の原因)
相続は、死亡によって開始する。

 

 

では、相続が開始する前。

お父さんが死んでしまう前の息子には何かの権利があるのでしょうか?

 

この息子のような立場にある者のことを法律では「推定相続人」と呼んでいます。

慣習上の用語ではなく、明文で規定されいてる法律用語です。

民法上、「推定相続人」という文言がみえる条文は5つ。

その中の892上に推定相続人が定義されています。

第892条(推定相続人の廃除)
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

 

 

分かりやすいですね。

相続が開始した場合に相続人となるべき者。

補足すると。

現時点で、相続が開始した(お父さんが死んだら)場合に、相続人となるべき者(息子)。

 

現時点でお父さんは死んでおらず、かつ、相続人となるべき者に該当するので、息子は推定相続人です。

法律用語である推定相続人になっている息子としては、お父さんが死んでしまう前に法律的な行動を起こせるのでしょうか(正確にいうと、法律的効果が及ぶのでしょうか)

 

結論からいうと、息子が推定相続人としてなした行為には法律的効果がありません。

 

なぜなら。

 

推定相続人がもっている権利は「期待権」に過ぎないからです。

かつて、ここを争った方がいて最高裁の判断が出ています。

 

推定相続人は、将来相続開始の際、被相続人の権利義務を包括的に承継すべき期待権を有するだけで、現在においては、いまだ当然には被相続人の個々の財産に対し権利を有するものではない。(最判昭30・12・26)

 

期待権しかありません。

逆にいえば、推定相続人には、何ら権利がありません、とも言ってない。

期待権はある。

ただ、あるとされる「期待権」は具体的に何が出来るのか?

 

期待権は、「具体的権利と対の意味で使っていると思われます。

具体的な権利であれば、最終的には国の力(具体的には裁判所ですね)を利用して権利の実現が可能です。

同じ判例(最高裁判所等の確定した裁判例のこと)では、次のようなことも言っています。

 

推定相続人というだけでは被相続人がした仮装売買の無効の確認を求めることはできない。(最判昭30・12・26)

 

売買を仮想したことによって結果的に自分に承継されるべき相続財産が散逸してしまったのでしょう。

その行為が「無効」ということになれば、相続財産は元に戻ることになり結果的に自分に相続される財産も増えると。

 

ただ、推定相続人の段階では、その主張はできませんよ、と言っています。

 

なぜなら。

推定相続人が持っているのは具体的な権利ではなく、期待権に過ぎないから。

ということになります。

 

なぜ期待権という言葉を使ったのかに興味がありますが、手元にテキストにここを説明したものがありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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