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「私たち兄妹は、姉を見捨てるつもりです。」親の死後 障害のある姉のこと|行政書士阿部総合事務所

February 1, 2016
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約 6 分

発言小町・親の死後 障害のある姉のこと


親の死後 障害のある姉のこと 
 (4)
 : 
家族・友人・人間関係 : 
発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
親の死後 障害のある姉のこと  (4) : 家族・友人・人間関係 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 

はじめまして。20歳の女子大生、いもうとと申します。
わたしには知的障害のある4つ上の姉がおり、その姉について相談があります。
単刀直入に言いますと、将来、親の亡き後、姉の世話をしたくないのです。

非道な質問だと思います。
私たち兄妹は、姉を見捨てるつもりです。

 

とても強い最後の一文にはっとさせられました。

 

 

精神障がいの姉をもつ妹の親なき後問題です。

投稿者は20歳の女子大学生。

 

両親、兄、知的障害のある姉、当人の5人家族。

家族構成は50第前半の両親、5つ上の兄(他県で就職)、件の姉(自閉症)、私です。
兄はもの心ついた頃から、私は生まれた時から姉中心の生活をしてきました。今更どうしようもないですので割愛しますが・・・

 

兄は大学入学を機に家を出て寄り付かなくなった。

そうやって育った兄は都内の大学入学を機に、家を出ました。我が家は都内まで快速電車で約1時間、十分通学圏内です。にもかかわらず、バイトをいくつも掛け持ちしながら生活費を稼いで一人で暮らすことを選択しました。今も家には寄り付きません。これからも帰ってはこないと思います。

 

両親は自分たちが死んだら施設に入れると言っている。

親は『私たちが死んだら、この子(姉)は施設にいれるから』と言っています。おそらく本心でないことは、私も兄もわかっていますが、わたしたち兄妹は自ら『兄弟助け合うから心配しないで』と言ってあげられません。

 

不安に思っていろいろと調べていらっしゃる。

老人介護施設等は受け皿がいっぱいになっており、入りたくても、入れないという話を聞きます・・・

よく平日は施設、土日は自宅でお世話をしている、という障害のある方の家族の話を聞くのですが

 

その不安というのが、

私が一番不安に思っているのは兄もしくは私が『後継人』にならなくてはならないのかということです。

 

その不安が最後の一文に繋がっているわけです。

 

 

とても深い問題ですね。

同情します。

私もそうでした。

といった回答を彼女が欲しい訳ではないです。

 

20歳です。

ストレートで入学したとしたら、あと2年で実家を出ることになります。

私は兄ほどのガッツはなく、現在実家暮らしです。しかし就職後、私も家を出る予定です。私も、正月とお盆以外帰る気はありません。

 

もう、彼女としては待ったなし、今すぐに決着を付ける必要がある。

 

「姉を見捨てるつもりです。」

これは、誰にも相談出来ないこの問題に対する「決意表明」なんですよね、きっと。

自分自信に対する。

でも、分からないから、いろいろと探したり、調べたりしているんです。

ハッキリと見捨てなくてもよい選択肢を。

 

本当は親や姉から見捨てて欲しいのだけど、それは出来ないので、自分から捨てるという苦しい選択をしたわけです。

この問題の決着がつかないと、自分の将来も見えてこない。

だからこそ、今も将来も一切の関係を断ちたいという気持ちが「見捨てる」になったのだと想像出来ます。

 

では、どうしたら良いのでしょうか?

この「問題」でボールを握っているのは誰かといいますと、両親に他なりません。

 

「私が死んだら・・」ということをおっしゃっていますが、死んでしまったら親が入居させることは出来ないです。

当然ですが、親御さんの意思は亡くなってしまいますので。

こういった発言をされるということは、親御さんが自分たちが死んでしまった後のことを考えていないか、考えたくないかのどちらかだと思います。

そうなりますと、姉について自ら施設に入る手続をすることは期待出来ず、兄妹が面倒を看るのだろうということが想像出来てしまう。

 

 

親御さんは、考えていない。

妹は、考えていてもそれを両親に言えない。

行政は、アイデアはあるがそれを両親に言わない。

 

ボールを握っている人がいつまでも動かない、動けない状況です。

だから、モノゴトが一歩も進まない。

 

その時にですね、当事者、行政と共に一緒になって問題を考えてくれる専門職が必要になってきます。

法定後見でもいいですし、子の養育を目的とした信託や任意後見といった選択肢も状況によっては考えられます。

誰も解決の方向に歩みだそうとしない状況に刺激を与えるには、新しい登場人物が必要。

 

仕組みがあるといいんですよね。

市民の窮状を最初に知ることが出来る立場にあるのが行政です。

障害年金受給者は誰か?

生活保護世帯は誰か?

全ての情報は集まっているはずです。

 

とはいうものの、「全ての人を救い上げることは出来ない」といった行政の言い分もにもある意味理解できます。

であるなら、情報を、困っているご家族の情報を民間の専門職と共有して解決するような仕組みがあると良いと思うのですが。

 

 

About The Author

行政書士行政書士阿部隆昭
創業支援と資金調達に強い東京都北区赤羽の行政書士阿部隆昭。
事業計画書作成支援、創業融資申請サポート、補助金助成金申請、契約書作成、ビザ申請など、中小企業支援業務をメインに業務を行なっています。
業務経験20年の知見をフル活用し、クライアント様の事業運営をサポートします。