価格競争に巻き込まれないためには、自分を安売りしない
といった言葉が蔓延している。
安い仕事を請けると、価格設定が下がる。
安い価格にすると、それなりのお客さんしか来ない。
スタートアップのときは、自分なんて安売りしたっていいんだよね。
買ってくれたお客さまが、
今回は、安い買い物したな!
って思ってくれてなんぼなんです。
そもそも、士業やコンサルタントなどの役務供給型のお仕事は成果物が極端に見えにくい。
ハンドバッグや財布とは違う。
満足感や、安心感といった人の気持ちに作用してこそ価値がある。
安い買い物をした
そう思ってくれたということは、
当初の価格設定よりも、高い価値をその人の気持ちに与えたということに他ならない。
誤解している人が日本に五万人ぐらいいるとらしいのですが、
これって、自分を安売りしたことでは全くない。
自分の正しい価値を、一人のお客さまに正確に伝わった。
ということにすぎない。
結果、お客さまとしては、ハンドバッグも財布も手元に見えるものとして残らないけれども、高い満足感を与え、
あの人にお願いしたらとても良くやってくれた
という反応で外の世界に伝わる。
最初から、
金額的に合わない、自分を安売りしない
といえば、全ての可能性がゼロになる。
自分を「安売り」して、遥かに上回る価値を様々な状況でいろいろな人々に提供すれば、「価格」は勝手に上がってくる。
スタートアップのときから、自分が勝手に決めた根拠のない価格設定に縛られて、自分を安売りしないと決め込んでも誰も相手にしない。
実績を重ねるまでは自分を安売りして、何度も誰にでも自分を買ってもらい、他人の評価で価格を上げてもらうしかない。
大切なのは、
その人の価値を決めるのは自分ではない、
ということ。
その人の価値は、全て他人との関係で表される。
売って、買ってもらわないと、その人の価格が決まらないんですよ。
どこの世界でもそうでしょ。
自分一人だけの身勝手で価格設定しても何の意味もない。
安売りだろうと、高売りとだろうと、誰かに買ってもらわないとそもそも評価の機会がない。
自分を安売りしない、
なんて安っぽい言葉に騙されてお高く止まっていては永久にチャンスなんかこない。