たまたまSNSであがっていた動画。
YAMAHAでさえ、顧客ニーズの設定を誤ってしまうのかと感慨深いです。
私の愛用しているアルトは、YAMAHAの初代62です。
ヴィンテージサックスは希少価値も高くて入手困難で。
まさにその通りですよね。
ヴィンテージを求める顧客(少し前の私)が最も欲しいのは、「不可逆な歴史」な訳です。
ヴィンテージっぽい色が欲しいわけではなく、結果的に、歴史的な遺産がその色をしているに過ぎません。逆ではないです。
ヴィンテージサックスに近い楽器を出したところで、ヴィンテージではないです。
それに近い楽器を発売したところで、顧客のニーズを満たせるわけではありません。
この、顧客ニーズの設定が誤っています。
もちろん、誤りを承知でマーケティング的にあえて打ち出している可能性はあります。
全く筋違いであることを知っているけれども、新商品の”手数”もなく、もしかしたらワンチャン、ニーズを掘り起こせるかもと。
重ねますが、色、スペック、フォルムを求めてヴィンテージを探しているのではない以上、もう現代ではどうしようもない世界線なのです。
ものこのあたりになっては、それならしょうがない、もうそれはそうなんでしょうという諦めの境地になります。
色が、欲しいわけでは当然ありません。
ヴィンテージサックスが高騰して、以前はもっと安い金額で買えたのに
歴史を買っているので、当然ですが、時を経るごとに価値(=価格)が高騰する。
ヴィンテージサックスが高額すぎるので、その「歴史」の代わりに、それを模倣する商品を開発するという行為がそもそも誤りで、歴史あるYAMAHAとしてその方針で良いのかあと残念な気持ちになります。
行政書士阿部隆昭