多くの方はテレビドラマで観たことがある程度。
植物状態で横たわった患者さんの生命維持装置を抜くかどうかの判断を迫られる医師としては、抜いていしまうことが刑法上の罪に問われる可能性もある。
単に機械の電源を落とすわけじゃあないんですよね。
だからこそ、生死の現場を預かる医師にとって大切なのが尊厳死の意思表示。
病が不知の状態にあり、今後回復の見込みが無いと判断したときは無駄な延命治療を拒否する旨の意思表示は、もしもそれを希望しているのであれば生前に書面に残しておいたほうがいい。
といっても、メモ書き程度はいざという時にどこかに紛失してしまったりする危険性がある。
だからこそ、延命治療の意思表示をしっかりとエンディングノートに書いておくべきです。
エンディングノートの話しをすると、”まだエンディングノートは早い”と言われることがあります。
「エンディング」という言葉がどうしても終末期を連想させるため、そういった反応を起こされるのも無理もない。
しかし、しかし、例えばですよ。
交通事故などで誰もがそういった状態になる可能性がある。
”エンディングノートを書くにはまだ早い”とか言ってる場合じゃない。
エンディングノートを書くのに年齢なんて関係ないんです。
今すぐエンディングノートは書くべきなんです。
「エンディング」という言葉がどうしても馴染めないのであれば、別な用語、例えばライフプランニングのためのノートを置き換えればいい。
どんなカタチでもいいからエンディングノートを書き残しておくべき立場の家族には書いてもらうこと。
それが本人や残された家族のため。
尊厳死だけの問題で言えば、エンディングノートに尊厳死の意思表示を書くだけではなく、尊厳死宣言公正証書を作っておくのがオススメ。
私もこれまでに何人も方の尊厳死宣言公正証書作成をお手伝いしたことがあります。
ほとんどの方は、作られた後に深く安堵なされる。
これで延命治療の拒否の判断に悩まされることから家族が解放されたからだ。
残された家族だって嫌でしょう。
「お父さんの生命維持装置のプラグを抜いて下さい」、なんてことは言えないです。
お父さんとしては、そんな極限の状況に家族を置かないでください。
そのための方法があると知っているのなら-知らないのなら仕方がありません。ー、それはやっておいたほうがいい。
尊厳死の意思表示はエンディングノートに書き残しておいたほうがいい。
延命治療拒否の意思表示は、元気なうちに本人が済ませておくべきこと。
尊厳死の意思表示は、「尊厳死宣言公正証書」としておくのが望ましい。
行政書士阿部総合事務所 行政書士阿部隆昭