新型コロナウイルス感染症による影響の実情について。
外出自粛や「三密防止」などの影響を最も受けやすい業種といえば、飲食業やフィットネスクラブだろう。
持続化給付金をはじめとする様々な支援策を用意しながらも、そもそもの経営の“準備不足”が原因で事業閉鎖を余儀なくされる場合もある。今回のような誰にも予測が出来ない突発的な外部環境の変化に対応するためにはキャッシュフロー経営が必須になる。
弊所ご支援先のフィットネスクラブでは、今回のコロナ禍による店舗閉鎖期間が長期に及んだために、地代家賃、人件費などの固定費の支払いに窮することとなり事業売却の結果となった。
キャッシュフロー経営とは、決して難しいものではなく、単に会社の現金の出入りを把握・管理しておくものとだけ認識しておくだけでも十分であることが多い。
前記のフィットネスクラブでいえば、キャッシュフロー経営どころか、自社の経営状態は何一つ代表者が把握していなかった。
といっても、このような状態の企業は珍しくなく、面談の際にも、経営状況のヒアリングに対して即答できない経営者は多い。
その大きな原因となっているのが担当税理士へのいわゆる“丸投げ”である。
税理士への丸投げのメリットは、決算申告作業から解放されること。
であるが、解放されるのはあくまで申告の“作業”であって、“経営”ではないことに注意が必要である。
当たり前のようであるが、このあたりの認識が足りない経営者も実に多い。
「税理士に任せているから」、とはよく聞かれる台詞であるが、税理士に任せているのは作業なので、経営ではないことは弊所の支援先にはアドバイスしていることである。
今回のコロナ禍によってキャッシュフロー経営の必要性を痛感した事業者も多いと思われる。
今後の支援では上記についてもアドバイスするようにしたいと考えている。
行政書士阿部隆昭