サラリーマンを退職し、必死の想いで起業した方が、
オレの会社なんだからオレの報酬をオレが決めて何が悪い
と仰る気持ち、とてもよくわかります。
発起人一人、株主一人なので、会社は実質その方だけのもの。
なので自分で決めてしまっていいんですよね。
ただ、会社法人まわりを縛っている会社法的に言ってしまえばそれはNGでして。
そのあたりのことも会社を将来大きくするのであれば今のうちから抑えておいたほうがいいです。
役員報酬(取締役も役員です、当たり前ですが)、定款又は株主総会の決議で決定しなければなりません。
会社法関連の勉強をしていると、「お手盛り」という言葉がよく登場します。
「お手盛り」とは日常生活ではほとんど使わないですが、実質自分で決めてしまうので制限が働かない、とでも理解してください。
ただ、定款で具体的な取締役の報酬を決めているのは本当に稀です。
何故かと言うと、取締役の報酬なんて会社の業績によってものすごく変化しますでしょ。
取締役の報酬額が変わるたびに定款変更の株主総会の特別決議なんてやってられないわけです。
ですので株主総会の決議で役員報酬を決めるのが一般的。
さらにいえば、役員の個別の報酬額まで決める必要はありません。
全ての役員報酬額の合計の上限だけ決めておいてもいいのです。
ですので一般的には定時株主総会で報酬額の上限を決議しておいて、取締役会で個別の額を決めることになります。
さて、肝心の取締役の報酬額はどうやって決めたらいいのか?に対する明確な答えですが、実はありません。
客観的な算定基準が望ましいのですが、主観的な算定基準を定めてもそれだけでNGとはされません。
いずれにしても株主に対して説明できるものである必要がありますよね。
では、実際の企業はどのようにして決めているのかといいますと。
資生堂グループの株主総会参考書類を見てみましょう。
https://www.shiseidogroup.jp/ir/account/shareholder/2016/pdf/shm_0006.pdf
当社の役員報酬制度は、社外取締役を委員長とする役員報酬諮問委員会で設計されており、客観的な視点を取り入れた透明性の高い報酬制度となっています。当社の役員報酬は、基本報酬と業績目標の達成度や株価によって変動する業績連動報酬で構成され、報酬額の水準については、国内外の同業または同規模の他企業との比較および当社の財務状況を踏まえて設定しています。
取締役の報酬基準を定めたときには、株主総会参考書類として記載すべきとされていますので、例えば同業他社はどのように役員報酬を決めているのだろう?と疑問に思ったときにはインターネットで検索すれば誰でも閲覧可能です。
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