「婚活」を一つの「事業」と考えてみましょう。
人の一生の問題を会社の事業と一緒にしないでくれ!とおっしゃる気持ちもわかりますが、あくまで仮のハナシです。
最初に結論を言ってしまいますが、「婚活」も「事業」も上手くいくためには実はファイナンシャル・プランニングの視点がとても大切になります。
婚活の場合には、ファイナンシャル・プランニングの中でも、ライフデザイン、資産設計など個人の生き方の設計が主になります。
対して、事業の場合には、経営者個人のライフデザインの問題にプラスして、資産運用や事業承継など経済的な視点が必要になるでしょう。
会社の事業の場合には、業績向上が目標である点はすべての事業に共通。
ですが、婚活の場合には事情がちょっとだけ異なりますね。
婚活のゴールは、籍を入れる法律上の結婚というカタチもあれば、パートナーと良好な関係を築き上げ必ずしも結婚を目標としない方も大勢いらっしゃいます。
そうです、婚活のゴール設定は、個々人によって大きく異なるのです。当然ですね。
さて、婚活と事業の共通点ってなんでしょうか?
婚活にも事業にも、欠かせないのがヴィジョンです。
ちょっと無理やりですか?
実はそうでもないのですよ。
ヴィジョンって、よく聞く言葉ですけど、具体的に説明すること出来ますか?
簡単に言えば、”あるべき姿”です。
事業を一つ立ち上げるからには、”こうなって欲しい”、”こうあるべきだ”というヴィジョンが絶対にあるはずです。
なんとなく、気分でスタートする事業なんてあり得ないし、仮にあったとしてもその事業はすぐに立ち行かなくなるでしょう。
婚活にしてもヴィジョンは絶対に必要です。どこをゴールとして婚活するのか?
結婚がゴールなのか?
パートナーと幸せに暮らすことがゴールなのか?
自分がどう在りたいのかを考えることこそが、婚活のヴィジョン。
会社の事業も婚活もヴィジョンがなければ上手く行かない。
であるならば、これまで自分の思い描いたとおりの婚活が出来ていなかった方は、ご自身の婚活のヴィジョンを再設定してみましょう。
何を小難しいこと言ってるんだ思われる方もいらっしゃるでしょうが、上手く行かないとき、失敗したときこそ、大切なのがヴィジョンなんです。
ヴィジョンがあるからこそ、倒れてもまた倒れても元に戻ることが出来る。
なので、本当に大切。
さて。
そう考えたとき、ヴィジョンってどうやって決めたらいいんだろう?
ヴィジョンを決める方法は幾つもの方法があって、個々人によってそれは違うのだけれども、誰しも共通するのはモノゴトを俯瞰して見ることです。
俯瞰っていうのは、より幅広い見方をするということ。
あなたのライフデザインにおいて「婚活」とは何なのかを幅広い視点で考えるわけです。
どうしても入籍にこだわっている人は、本当に籍を入れることが大切なのか?、あなたのご家族を含めたライフデザインから考えて籍を入れることは妥当なのか?
籍を入れることで、そのパートナーとは法律上の婚姻関係になり、同時に相続権も発生します。
ということを私が婚活中の方にお伝えすると。
「籍を入れても、相続権なんて事前に放棄してもらえるように話し合っているから大丈夫」と。
相続は事前に放棄なんて出来ません。
法律上、認められているのは、遺留分の事前放棄です。相続権そのものを相続が発生する前に放棄することは出来ないのです。
ということはですよ。
今はいいんですよ、仲がいい今のうちは。
問題は仲が悪くなったその時でも離婚しない限りは婚姻関係は続き、相続権もそのままという事態になること。
「なに、そうなったら離婚してもらえるから大丈夫、心配ない」
相続権を捨ててまで離婚するでしょうか?
確かに協議離婚出来ない場合でも、裁判離婚の手続きはあります。
でも、知っていますか?
裁判離婚って厳格な要件があるんですよ。
「もう、マジ腹立つから訴えて離婚してやる」ってのはダメなんです。
入籍するのはキケンだから、籍は入れないほうがいいよ、と言っているのではありません。
籍を入れたい理由は様々です、人によって。
相続権が欲しいから、も実際にありますし、法律上の婚姻関係のほうが手続き上さまざまなメリットがあるから、という方もいらっしゃるでしょう。
さまざまな状況を想定しながら自分の婚活のヴィジョンを決めると良いと思います。
ヴィジョンを決めるには、人生を俯瞰で見ることが大切と書きました。ライフデザインの視点です。
ライフデザインをするためには、財産と人との関係を整理しながら進めるのが最も早くて正確です。
そこで活躍するのがエンディングノート
エンディングという名称から、人生の終末期を連想される方も多いですね。
本日お伺いした高齢者のイベントでも、ある高齢者がこんな風に言って笑っていました。
「エンディングノートって、もう、いよいよとなったら書くアレでしょ?」と。
実際のところ、”もういよいよ”の状態ではエンディングノートを作るのことが難しいのですが、イメージとしてやはりそうらしいのです。
しかし、エンディングノートは終末期に遺言のように書き残すものではなく、生前、これから元気に前向きに生きるために人生を一旦リセットして整理するためにも使うべきだと思っています。
しっかりと作られたエンディングノートであれば、様々な場面で効果を発揮することは間違いありません。
最善のエンディングノートとは何かを考え続け、製品化させてエンディングノート実践家なので分かります。
モチロン、婚活のヴィジョン設定にも使えます。
「婚活」というたった二文字で表される言葉も、ライフデザイン、その人の生き方から考えると大切過ぎる場面です。
何をもって婚活が失敗と捉えるかもやはり人によって違うと思いますが、婚活のヴィジョンを実現するためにもエンディングノートを上手に活用して欲しいと思いますね。
エンディングノート実践家 解決支援コンサルタント 行政書士阿部隆昭