個人的にはあまり良くないケースだと考えますが、とはいえ、本人さえ良ければそれで良い、という世界であることは間違いないです。
特に、扶養家族もおらず、”失敗”してもある程度リカバリーができる年齢であれば尚更です。
今回ご紹介するのはお花屋さん。
私の親戚筋も花屋さんに勤めていたときがあるので事業の性質などは一定の知識があります。
“夢を実現して創業”、というと聞こえはいいかもしれませんが、現実の経営が本人の想定通りに回っていないのでは本末転倒であると、私は考えているタイプです。
お花の仕入れ代金さえ売上で賄えていない、つまり、粗利さえ確保できない状況が二年程度続き、生活費その他の費用は創業者本人がアルバイトをした給与にて補っている状況。
もし自分がこのような状況、よく言われるところの自転車操業に近いですよね。
ただ、創業者ご本人としては、「好きなことをやれているので、今のままの状況で良い」という意識。
もちろん良くない状況ではあると思っているけれども、それを改善するような具体的なアクションを取り組んではいない。
仕入れた生花を、原価そのままの価格で販売し続けている状況は、経営としてはすぐに改善すべき異常な状況であると思われるが、本人がそれで良いとしている以上、支援者側の当職としても手の出しようがない現実。
なんとも悩ましい限りではありますが、創業支援の現場におりますとこういった事例は特に珍しいことではありません。
好きを仕事にしたことで、好きが嫌いになることもまた然りです。
好きを好きのままでいるために、経営の現実を直視しない、といったこともまた良くあること。
行政書士阿部隆昭