外国人を以前雇っていたけれども、今は外国人労働者を雇っていない。
その理由を調査したデータが『日本の外国人労働力』日本経済新聞社に載っていました。
これから外国人を採用しようと考えている企業の参考になると思います。
外国人を雇わなくなった理由(単一回答)『日本の外国人労働力』P.69
・採用の手続きが面倒だから 2.2%
・外国人の労務管理が面倒だから 4.1%
・外国人のビザなどの管理が面倒だから 1.9%
・能力が低いから 3.6%
・日本語が話せないためコミュニケーションがとれないから 13.0%
・遅刻、無断欠席など責任感がないから 5.8%
・すぐやめてしまうから 7.2%
・日本人が十分に採用できるから 22.7%
・日本人と比べて割高だから 2.5%
・その他 27.9%
・無回答 9.1%
このデータを見ると外国人のビザや労務管理などの手続き面が面倒だからという企業は少ないのがわかります。
外国人特有の文化や感性などに影響があるものとしては、責任感がない、コミュニケーションが取れないというもの。
従業員研修等で日本の慣習を教えるプログラムなどがある企業であればある程度補完出来ると思いますが、中小企業ではそこまで時間もお金をかける余裕もないでしょう。日本語能力についても、通常会話にプラスして、ビジネスにも通用する日本語能力を求めているのは企業からもよく聞かれる意見です。
外国人採用を止めた理由のトップは、日本人が採用できる環境になったからというもの。
私が外国人留学生の就労ビザへの変更をお手伝いしたケースも、日本人がなかなか採用できない事情がある企業様からのご依頼でした。
逆にいえば、外国人だからこそ出来る業務、外国人特有のスキルや感性がどうしても必要な業務であれば、日本人の採用に困ることがなくても外国人は雇用されるわけです。
一方で、民間の調査によれば、外国人留学生を採用した企業の目的の第一位は、「優秀な人材を確保するため」です。
外国人留学生が日本企業に長く勤務するには、何よりもスキルを磨くことが大切だという結論になりますね。
行政書士阿部総合事務所 行政書士阿部隆昭