入国管理局が公表している平成24年のデータによりますと、最終学歴別許可人員の割合は以下のとおりです。
大学、大学院、短大、専修学校の割合が圧倒的多数、それ以外、つまり学位がなく日本企業への就職が決まったことによる在留資格変更許可の割合は1.8%しかありません。
先日、日本語学校を卒業しても学位にはなりません、という記事を書きましたように、よほど特殊な場合でないと大学や専修学校の卒業資格がないと就職が難しいことがデータに現れています。
最近、『ルポ ニッポン絶望工場』というタイトルの書籍が話題になっています。
来日した外国人留学生など就労状況のルポルタージュのようですね。「絶望工場」というタイトルから、鎌田慧氏の『自動車絶望工場』に登場する自動車工場の期間工と外国人労働者を連想させる人も出てきそうです。
外国人留学生は、一週間に28時間を限度としてアルバイト活動をすることが認められています。
しかし、28時間を超過してアルバイトをしている留学生がいるのは事実。学費や生活費をより多く稼ぐためというのがその大きな理由でしょう。
下記の特集記事にあるように、外国人犯罪が、「外国人による社会に対する復讐」なのかどうか分かりません。国としては、長期的な方針と戦略は従来から継続的に立てているでしょうから、民間の立場としては入国管理政策の実態を報告する意味でのルポルタージュの役割はあるのかなと思います。
申請取次行政書士の私としては、入国管理手続きが適正に迅速に行われることをサポートする役割だと認識しています。その意味で言いますと、一週間28時間のルール(資格外活動許可)を超過して就労している外国人留学生は、就職の際に行う就労ビザへの変更のときに不利になるかもしれないという事実は知っておいたほうがいいでしょうね。
行政書士阿部総合事務所 行政書士阿部隆昭
日本人が知らない外国人出稼ぎ労働者の日本への反感
“在日ベトナム人などの犯罪が急増している背景については第6章で述べた。彼らが犯す「窃盗」や「万引き」は、欧州が直面するテロの脅威とは次元が違う。しかし、外国人による社会に対する復讐という意味では、スケールこそ違っても構図は同じである。
今後も、日本で働く外国人は間違いなく増えていく。日本に住み続け、移民となる人も出てくるだろう。彼らにこの国で、いかなる役割分担を求めるのか。どうすれば優秀な外国人を日本に迎え入れるのか──。長期的な方針と戦略を立てるのは今しかない。 ~本書「おわりに」より”