初めて外国人を雇用する企業が注意すべきポイントと、
在留資格手続きを円滑に進めるための実務チェック
この記事は企業の人事・総務・採用担当者/経営者向けです。
「採用したいのに在留資格が許可されない」「更新・変更が不許可になった」などの
事業ダメージを避けるために、最短で確認すべき実務ポイントだけをまとめています。
外国人雇用の手続きは、期限管理よりも「職務内容・雇用条件・実態の整合」が落とし穴です。
自社判断で進めるほど、不許可/再申請/採用計画の崩れが起きやすくなります。
行政書士阿部総合事務所は、入管申請取次業務について出入国在留管理庁の「申請取次」を認められた 申請取次行政書士として、 企業の在留資格(取得・更新・変更)管理を適法性・経営戦略支援の前提でサポートします。
※「取れればいい」「グレーでもOK」型の申請は扱いません
企業側で準備できる情報だけで、取得/更新/変更の論点を一次判定します。
いま不安がある場合は、先に状況整理した方が早いです(申請直前ほどリスクが上がります)。
- 在留カード(表・裏)
- 雇用条件(雇用契約書、内定通知書、オファーレター等)
- 職務内容(職務内容書/求人票/業務分掌など)
- 変更点(転職・配置転換・給与・勤務地・勤務時間など)
「書類さえ揃えれば、なんとかなる」と思っていませんか?
実は、入管手続きで失敗する企業の多くは、書類の書き方ではなく、その前段階にある「勤務実態との説明の矛盾」でつまづいています。入管審査官は、あなたの会社の「雇用条件・職務内容・実態」がすべて整合しているかをシビアに見ています。一つでもズレがあれば、それは不許可のシグナルです。
ここでは、最短で“危ない芽”を発見できるよう、現場目線のチェックリストを用意しました。
3分チェックリスト(Yes/No)
ひとつでも「Yes」があるなら、社内対応だけで進めるのは危険度が上がります。
なぜなら入管は書類単体ではなく「整合(つじつま)」を見ます。申請取次行政書士の目で、先に整合チェックを入れる方が早いです。
| 判定 | 質問 | 危ない理由(実務) |
|---|---|---|
| Yes/No | 内定を出したが、在留資格の適合(職務内容との整合)をまだ精査していない | 採用計画が崩れる/入社日が守れない |
| Yes/No | 職務内容が「何でも屋」になっている(総務・営業・現場など幅が広すぎる) | 職務の説明が弱いと不許可リスクが上がる |
| Yes/No | 給与が社内基準より低い/職務の専門性に対してアンバランスに見える | 就労実態の合理性が疑われる |
| Yes/No | 配置転換・職務変更・勤務地変更など、雇用条件の変更がある(予定を含む) | 更新に見えて「変更」が必要なケースがある |
| Yes/No | 本人側の在留状況(期限・活動内容)について、企業側で把握できていない | 期限超過や活動内容の食い違いは致命傷になり得る |
| Yes/No | 採用したいが、社内にビザ申請関連書類を集める担当が決まっていない | 書類が揃わず、直前で断念してしまう |
チェックリストで「Yes」があった場合、次にすべきは「なぜ、それが危ないのか?」を知ることです。
企業の現場では、採用や配属のスピード感を優先するあまり、入管法が求める「整合性」が後回しにされがちです。求人票と実際の業務、契約書と現場の運用……これらが噛み合っていないまま申請すると、当然ですが入管はそれを鋭く見抜きます。
実務で多発する「3つの典型的な落とし穴」を確認し、自社のケースが当てはまっていないか照らし合わせてみてください。
落とし穴①:職務内容が“実態”と一致していない
入管は「肩書き」ではなく、実際に何をするのかを見ます。
求人票・職務内容書・雇用契約書・組織図・業務分掌の間で矛盾があると、
説明不足/整合不足と判断されやすくなります。
落とし穴②:雇用条件(給与・勤務)と合理性が合っていない
「同種業務の日本人と比較して不自然に低い」「労働時間・休日が曖昧」などは、
雇用の合理性を疑われます。
企業側に悪意がなくても、書面の見え方で不利になります。
落とし穴③:更新だと思っていたら“変更”が必要だった
転職・配置転換・職務変更・勤務地変更などがあると、
更新のつもりが変更申請の領域に入ることがあります。
この見誤りは、結果的に不許可リスクや再申請リスクを招きやすいです。
制度や法律の理解も大切ですが、現場が最も疲弊するのは「社内の誰が、何の書類を用意するのか決まっていない」という運用面の問題です。
人事、現場、経営層……それぞれがバラバラの情報を持ったまま申請直前を迎えると、書類の矛盾や欠落が発生し、結果として追加資料請求や審査遅延を招きます。
不許可のリスクを防ぐ最短ルートは、「誰が何を担当するのか」を最初に決めてしまうことです。以下の分担例を参考に、社内の”ボール”の持ち主を明確にしましょう。
社内で「誰が何を担当するのか」:実務の分担表
申請の成否は、申請に耐えうる採用書類をどう揃えるかで決まります。
申請取次行政書士が、企業の実態に合わせて「書類の揃え方」を設計しますが、まずは社内で担当を決めるのが最短です。
人事・総務
- 雇用契約書/内定通知書/労働条件通知書
- 就業規則(該当箇所)/給与規程(該当箇所)
- 勤務時間・休日・手当の説明資料
現場責任者
- 業務内容リスト(具体的に)/業務フロー
- 指揮命令系統(誰が指示し、誰が評価するか)
- 成果物・KPIのイメージ(可能な範囲で)
経営者・管理部門
- 会社概要/組織図/事業説明(対外説明資料)
- 採用理由(なぜ今その人材が必要か)
- 雇用の継続性を示す材料(可能な範囲で)
※どの書類を出すか・どう整合させるかは、案件ごとに最適解が変わります。無理に盛らず、実態に合わせて組み立てるのが安全です。
「コスト削減のために自社で手続きを行いたい」と考えるのは自然なことですが、見えないリスク(失敗コスト)まで計算に入れていますか?
入管手続きの失敗は、単なる「書類の再提出」では済みません。入社日の延期による現場の混乱、取引先への謝罪、そして何より「一度不許可になった」という履歴が残るダメージは甚大です。
判断に迷ったときは、以下の「失敗した場合の代償」を天秤にかけてみてください。
「自社でやる」判断が危ない理由(失敗コスト)
入管手続きの失敗は、単に「書類が戻る」では済まないことがあります。企業側のダメージは、だいたい次の形で現れます。
- 入社日の延期(現場の人員計画が崩れる/取引先対応に影響)
- 再申請のリスク(担当者の工数が溶ける/社内説明が苦しくなる)
- 本人の在留期限との競争(時間がなくなるほど判断が荒れやすい)
- 不許可になった場合の採用コスト・信用コスト(再設計が必要)
だからこそ、申請取次行政書士としての役割は「書くこと」ではなく、許可されるための整合を、企業実務に落とすことです。
外国人雇用にまつわるトラブルは、一見複雑に見えても、実は一定の「パターン」があります。
更新直前になって慌てるケース、配置転換の見誤り、職務変更の境界線……これらは、過去に多くの企業が経験してきた道です。つまり、先人の事例(パターン)を知っておけば、御社だけは事故を回避できるということです。
以下のカテゴリ記事では、企業担当者が迷いやすい「よくある論点」を整理しています。必要なケースを拾い読みして、社内判断の武器にしてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
改めて強調したいのは、在留資格手続きの本質は「書類作成」ではなく、「会社の実態を、審査の観点で整合させて説明すること」です。
ここさえズレていなければ、手続きは驚くほどスムーズに進みます。逆に、ここがズレていれば、どんなに綺麗な書類を作っても許可は遠のきます。
「少しでも不安がある」「社内だけで判断しきれない」と感じたら、申請直前のギリギリになる前にご相談ください。初期段階での論点整理が、結果的に最もコストのかからない解決策になります。
まとめ:先に「整合」を取れば、手戻りは減らせます
初めての外国人雇用は、善意でもミスが起きます。
特に職務内容・雇用条件・実態の整合が取れていないと、更新・変更・取得のどこでも躓きやすくなります。
行政書士阿部総合事務所は、入管業務の申請取次行政書士として、企業側の情報整理から書類設計まで、 「許可されるための整合」を実務に落として支援します。
※本記事は一般的な情報提供です。個別案件は在留資格・雇用実態・変更点により判断が分かれます。早めの整理が、結果的に最短です。





