永住ビザは、日本で在留している外国人が欲しい在留資格のうちの一つ。
オールマイティーのビザのように捉えられているのも一つですが、就労ビザで長年日本で頑張ってきた一つの到達点と考えている外国人の方もいらっしゃる。
1 素行が善良であること |
2 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること |
3 その者の永住が日本国の利益に合すると認められること |
出入国在留管理庁が公開している審査基準は上記です。
永住ビザの申請を検討している外国人の方、もしくはその外国人の支援をしている方、申請対象の外国人の方は上記の基準を高い水準で満たしていますでしょうか?
素行善良要件、と呼んだりしますが、日本国にとって素行が善良であることが永住というライセンスを交付するための要件の一つです。
さらに、独立の、もう一度言いますが、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。
独立の、なのですが、言葉の意味からして、一人で、というのが原則ではあります。
資産、又は、技能というように、「又は」という並列で言葉が繋がっているのも一つのポイント
さらに、「日本国の利益に合する」というのがまたファジーな表現で、一見、つかみ所がないですよね。
さてさて、日本国として、永住というライセンスを与える以上、よく言われるところの「ビジネスビザ」ー就労ビザのことーとは異なる基準で審査がされているのは皆さんご存知の通りです。
外国人のコミュニティーの中では、”自分と同じ条件のAさんが許可されたのだから自分も許可されないのはオカシイ”と考えることはむしろ普通になっていますが、在留審査は、そのヒトで審査されるのであり、世の中に完全同一のヒトが存在しない以上、結論は当然異なるものです。
ビザが許可されたとしても、許可の内側は当然ちがう。
なぜなら、ヒトが違うから。
独立して生計を営む
日本国の利益となる
素行が善良である。
を高い水準で満たしましょう。
許可率を高めるための大原則です。
曖昧すぎてよく分からない、とは言っても、それなりの解釈のレンジというものがあるわけで。
年収300万円以上あればOK
などと言われることもありますが、果たして。。。
独立して生計を営む資産、それは資産がないよりはあるほうがいいでしょう。あるなら、そのレベル感が高いほうがいいでしょう。
永住ビザに限らず、ビザ申請はとかくブラックボックスの中に手を突っ込み、確度の高いものを探り出す作業であると当職は認識しています。
それだけに、やり甲斐があると思っているので続けているわけです。
行政書士阿部隆昭