今週半ばにベンチャー企業の経営者を対象とした業務提携契約書の作り方のセミナーに登壇してまいります。
現在、そのためのスライドの最終チェック中
セミナーの中でも触れる予定のトピックをこちらでも一つ。
業務提携契約などの継続的な取引が予定されている契約には、自動更新の条項が入っている場合があります。
スポットの売買契約などには存在しませんが、例えば、多くの方の馴染みのあるところで言えば、マンション、アパートなどの賃貸借契約では普通は自動更新条項が入っています。
もしも、お手元に契約書が残っていれば確認してみてください。
この「自動更新条項」がなかなかの曲者で、実際に企業として業務提携契約書を作成したりチェックする場合には注意が必要です。
というのも、自動更新の定めがあるので、契約当事者からアクションをしなければ契約は永遠に続いてしまう可能性もあるのです。
自動更新さえ定めていなければ期間経過と共に契約は終了するのが原則です。
”契約が終了するよりも、終了しないとした方がいいだろう”
もちろんそういった側面はあるのですが、契約は終了しても、また結び直せばいいわけで。
単に一手間増えるだけに過ぎません。
自動更新の何が問題なのかというと、契約条件が同じまま続いてしまうということです。
契約書の定め方として、例えば、
自動更新の際には、契約条件を見直すこととする
といった内容の但し書きがあってもいいでしょうね。
自動更新条項のデメリット:不合理な契約条件に縛られる。
ベンチャー企業の場合には、当初契約時にはまだまだ小規模であったために多少不合理な条件でも契約せざるを得ない状況だったということも考えられます。
しかし、自動更新条項が生きてくる、契約後2年経った頃には急成長し、相手方よりチカラが上になっているかもしれません。
自動更新の定めがあるばかりに、不合理な関係を続けなければならないのでは経営者や従業員の努力も報われないでしょう。
契約更新の手続きが便利、という自動更新のメリットだけではなく、自動更新のデメリットも認識した上で契約書を締結したいですね。
創業支援と資金調達に強い野獣系行政書士阿部隆昭