【超簡単家族信託】WEB講座シリーズ20回目の今回は、信託を大きく捉えるためにリスクマネジメントの観点から家族信託を考えてみたいと思います。
これまでも何度か書いてきましたが、障がいのあるお子さんを持つご家庭は、ある特有のリスクを抱えているといってもよいでしょう。
それが「親なき後問題」という言葉に現れています。
これまでサポートしてきた「親」という存在が欠けてしまうことは、お子さんにとってみたら相当なリスク。
何としても回避したり、対応しなければいけない重大問題です。
リスク=親なき後問題
リスクマネジメントの、「マネジメント」にはリスクを管理したり、回避したり、リスクに対する対策の意味があります。
精神障がいのあるお子さんを持つご家庭の問題について考えることが、文字通り、リスクマネジメントに他なりません。
親なき後対策としての家族信託ということで言えば、リスクマネジメントの一つとして家族信託を検討してみよう!、ということなのです。
ここで一つ大きな懸案となってくるのが、どのようにマネジメントをするかということ。
親なき後問題に限ったことではありませんが、リスクマネジメントが必要とされる場面で多くの方が選択してしまう方法が「なにもしないでやり過ごす」というもの。
これがよく言われる、「何もしないリスク」です。
「何もしない」と、リスクが回避されたりするのでしょうか?
親なき後問題にかかわらず、”何もしない”という選択はあらゆるリスクに対応することができません。
しかし、しかしです。
多くの方が、”何もしない”を日々選択しています。
親なき後問題の現場でも、それは同様です。
一つの原因は問題が複雑でどこから解きほぐしてよいのか分かりづらいから。
家族信託とリスクマネジメントという視点で考えてみます。
親なき後問題だけではなく、家族間の事業承継や、円満な財産承継を考えたときに、「家族信託」という仕組みはとても有効なリスク回避もしくはリスク軽減策になることが分かっています。
しかし、信託って難しいですよね。
理解できないから、思わず”何もしない”という選択肢につながりやすい。
でも、ちょっと考えてみてください。
問題の当事者が難しいことを考えなければいけない。
そういう訳ではないのです。
難しい信託の仕組みを考えるのは専門家に任せておけばよいのです。
当事者ご本人はその人だけにしか出来ないことをするべきです。
そういった意味では、専門家に任せる部分と当事者がしなければいけない部分との区別をつけることがリスクマネジメントには大切な視点といえるかもしれません。
来月、5月18日に開催する『親なき後問題対策「元気なうちに親が出来ること」』講座では、家族信託に関連して親なき後問題の解説をします。
それぞれのご家庭がそれぞのリスクに直面していると思います。
そのマネジメントとして家族信託はどのような役割を持っているのか?
そういった視点でお聴き頂いても有意義な内容になると思います。
次回の【超簡単家族信託】WEB講座は21回目は、少し珍しい信託の形を紹介します。
高齢になってからの親の再婚。
お子さん世代としたら心配ではありませんか?
法律上の婚姻関係が生じてしまうと相続分に影響が出てきます。
もしかしたら、財産目当ての再婚かもしれない、と再婚相手に疑念の眼差しを投げかけてしまうかもしれません。
実は、そんな状況にツカエル信託があるのです。
それを紹介しましょう。
行政書士阿部総合事務所
行政書士阿部隆昭