家系図を作るのに大至急というオーダーは普通は無いと思いますが、ご依頼される側にとっては、いつ完成するのかは気になるところ。
基本的に郵送で戸籍を請求することを繰り返し、戸籍を遡っていくのが業務の流れです。
郵送せずに実際に戸籍を保管する自治体に足を運べば良いかというとこれが実は簡単ではない。
戸籍を遡っていくと、日本全国に本籍地が散らばっていることも少なくありません。
戸籍を保管する全ての自治体に足を運んでいけば交通費はもちろん、宿泊費も相当な金額になる。
古い戸籍になるほど、自治体も調査に時間をかける。
現在の戸籍のように電子化されていないため、紙で出来た戸籍の帳簿を確認しながらの地道な作業となり、請求したからといって30分後に発行される簡単なものではない。
普通に一日作業になる。
そこでまた宿泊!
とても効率が悪い。
日数はかかるかもしれないが、結果的に郵送の方が費用も安く効率も良いのである。
相続登記を絡めた所有権移転登記などは事情が違う。
登記簿上の所有権者が被相続人、その物件の相続人が相続してすぐに売却(所有権を移転)する場合などは費用がかかっても大至急戸籍を収集する必要がある場合も。
家系図作成の場合は、そういった事情は考えられないので費用はかけずに、となる場合がほとんど。
さて、そうなった場合に最終的に家系図が完成するまでにはどれぐらいの期間がかかるのか?
家系図作成業務をご依頼のお客様には2ヶ月程度お時間を頂きますとお伝えしています。
郵送で戸籍を請求すると返送されるまでに中三日程度かかります。
当然、役所は平日しか営業しませんので、大抵の場合、一箇所の役所に請求した戸籍を入手するまでに一週間と計算します。
本籍地の散らばり具合など様々な事情もあり、一系統につき3往復必要な場合も普通にあります。
戸籍を全部遡って取得できるのに約1ヶ月半。
収集した戸籍を解読し、家系図にまとめる作業がまた難航することが普通で一週間程度かかってしまう。
直系血族だけを記載するのではなく、記載の範囲のみの情報で傍系血族(兄弟姉妹)の情報も家系図の中に入れ込むのは、感覚で言えば作業量が三倍程度必要。
家系図を親御さんにプレゼントする、といったご依頼をいただく事がありますが、多めに見積もって3ヶ月前までには家系図作成をご依頼されることをオススメします。
行政書士阿部隆昭