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将来、認知症になるのが心配な高齢者のご支援

July 25, 2016

 

将来に認知症リスクに備える方法として「任意後見契約」が注目されています。

任意後見契約とは、高齢者がまだ元気なとき(判断能力が残されているとき)に、あらかじめ決めた第三者との間で後見に関する契約をしておくことです。

「後見」という言葉もだいぶ周知されてきた感がありますが、法律用語ですので本当のところを理解するのはとても大変です。認知症が始まってから家庭裁判所に申し立てるのは、後見の中でも「法定後見」というもの。文字は似ていますが、法定後見と任意後見とは全く別の異なる制度なのです。

任意後見契約のメリットは、あらかじめ決めた第三者との間で、という部分です。

認知症になってから初めて後見の手続きをスタートする法定後見では、誰が後見人としてご本人のケアをするか分かりません。もちろん、家庭裁判所への申立手続き上、「後見人候補者」を定めることが出来るのですが、あくまで「候補者」です。「後見人」として選ばれるかどうかは家庭裁判所の判断に委ねられます。

ところが、任意後見契約の場合には、ご本人が認知症になる前ですから、将来認知症になったときに面倒を診てもらいたい人を予め指定しておけるのが最大のメリットといえるでしょう。法定後見の場合には、家庭裁判所が選んだ後見人とご本人との相性が合わないといったトラブル事例がよく報告されています。認知症になり判断能力が衰えているとはいえ、そこは人間ですから、相性の良し悪しはあります。こと後見事務というのはご本人のプライバシーに深く関与するもの。気に食わない人と付き合わなければいけないというのでは、それだけストレスになります。”相性の合わない後見人なんてすぐにクビにしてしまえばいいのでは?”と思われる方もいらっしゃると思いますが、一度選ばれた後見人は、例えばご本人の財産を横領したなど余程の理由がない限りクビには出来ないのです。

認知症になってからもご本人が決めた方にお世話をしてもらいたい場合には、元気なうちに任意後見契約を済ませておきましょう。

お世話をしてもらいたい人、つまり、将来ご本人の後見を任せる人には、本人によりも年齢的に若い人が通常選ばれます。

お子さんや甥っ子さん、姪御さんなど、財産管理を任せる適当な人がいない場合には、私が任意後見人となる契約を結ぶことも可能です。

 

ご依頼の流れ

1.ご相談

2.ご本人と面談して契約内容の確認

3.任意後見契約の案文作成

4.契約(財産管理の委任契約、任意後見契約)

5.財産管理スタート

任意後見契約は、ご本人から相談をいただくケースはあまりなく、ほとんどが将来の認知症リスクを心配したご家族からの相談です。
「元気なうちに任意後見契約」という用語もあるほど、任意後見契約ではまずご本人の判断能力が残されているかどうかがキーポイントになるケースが多いのです。高齢者の認知症は急速に進行することが多く、ご相談が一ヶ月遅かったばかりに任意後見契約が出来なかったというケースも過去にあります。

相談は早いほうが、選択肢が広がるのは多くのお困りごとに共通しておりますが、任意後見契約に関しては契約をするしないにかかわらず専門家に早めに相談することをお勧めします。

”むずかしいを楽しく”解決支援コンサルタント
行政書士阿部総合事務所 行政書士阿部隆昭

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