「介護への想いを表現できる場が、2025年問題の解決への一歩となる」Join for Kaigo代表 秋本可愛さん インタビュー
2025年問題。団塊世代が75歳以上の後期高齢者を迎える年だ。その2025年問題に本気で立ち向かう、ある20代の若者がいる。
介護のお仕事研究所は、介護に志を持った若手が集う「HEISEI KAIGO LEADERS」を運営する、Join for Kaigo代表 秋本可愛さんに話を伺った。
Facebookの投稿でJoin for Kaigoを初めて知りました。
誰もが通る道でありながら当事者になるまで避け続けるといった意味では「相続」も「介護」も同じかもしれません。
秋本氏は、「介護業界の課題を解決したいと思っている人はたくさんいます。しかし、その想いを出せる場がないんです」と話す。
介護の問題と、介護業界の問題はイコールなのかもしれませんが、業界の課題を解決したいという点に魅力を感じました。
1月からスタートしたトライアルプログラムのメンバーのなかに、昨年6月にうつ病を患った男性介護士がいた。幸いにも昨年10月には服薬をしなくてもよくなったが、自分に自信を持つことができないなかで、「自分を変えたい」という強い思いからプログラムに参画した。
彼がマイプロとして掲げたのが「オンリーワン介護士プロジェクト」。
これは、介護士が自身の趣味や特技を活かして、オリジナルのケアを実施するものだ。介護士自身もケアを通じて自分を表現できることで、介護がもっと楽しくなるのではないかという彼の思いから生まれた。
今、私が運営している団体のメンバーに、日本の介護の在り方に疑問を持ち、独自の工夫で展開していこうとしている方がいます。
お年寄りが集まるサロンを運営しながら、そこに集まったお年寄りたちが今度は運営側に参画する。
役割を与えることで見違えるように元気になっていくのだそうです。
オンリーワン介護士プロジェクトも目指すところは一緒になのかもしれません。
かたや「介護士」、もう片方はお楽しみイベントに参加する側の「お年寄り」。
これまでの人生で培った経験や知恵などが他者から求められることで「自己肯定感」といったことにも繋がる。
介護士の方は、介護がもっと楽しくなる。
お年寄りは、他のお年寄りを楽しませることが好きになる。
病を患っていた介護士も、自分にはもう出番などないと思っていたお年寄りも、どちらも元気になる。
こんな素晴らしいことはない。
そう!、求められているのは活躍する「場」だ。
「水」さえ与えてくれたなら、ビュンビュン泳ぐ魚はきっとたくさんいる。
私たち魚は、子供の頃からそうやってきた。
クラス替えして居心地よい「水」だったらイキイキと泳ぎまわるけど、オトナになって勤務した会社が思っていたのと違った「水」だったらすぐに泳ぐのを止めてしまう。
自分で「水」を作り出せる人もいるし、そうでない人もいる。
そうでない人には誰かが「水」を作りだして、一緒に泳ぎだせばいい。
なんだか相当に難しそうだけど、やってみるとそうではないかもしれない。
自分がいま作っている「水」に参加してくれている方の一人は、
ここに来るとなんだかパワーをもられる
そうおっしゃっていた。
僕も一緒に泳いでいるので実はその「水」の中にいるのはとても気持ちがいい。