昨日参加した葬儀と相続のコラボセミナー
今後の私のセミナー運営に参考になることが見つかったので書いてみたい。
これを読んでいる方も”なるほど!”と思って頂けたらいいなと思います。
私の知り合いから紹介して頂いた葬儀社さん。
私自身が葬儀社の方とコラボセミナーでセミナーをやりたいと口に出したのがキッカケでした。
一度、事務所まで来ていただいてお話しを伺ったのですが、とても楽しい方で、お喋りも上手。
そして、葬儀の実務についてよく知っている。
まさにコラボセミナーのお相手としては望ましいと思っていました。
「一度、セミナーに来てくださいよ!」
というお誘いを頂きましたし、内容を見ておきたいと思ったのが今回の参加の経緯です。
ただ、今回はいつもその方が講師をされているセミナーと違い、前半後半のコラボセミナーになっていました。
前半は葬儀の実務をその方が説明し、
後半は相続・遺言について、ある法律専門職がお話しするパターンです。
当日参加されていたのは私を含め7名、男性3名、女性4名です。
7名のうち2名は異業種交流会の仲間らしいので、本当のお客様は3名ということになります。
「本当の」というのは、地域密着の葬儀社なので、地域の高齢者に聴いて欲しいからこそのセミナー開催だろうと思うからです。
セミナーを営業ツールの一つと捉えれば、その三名の方に主催者の取り組みが伝わるのがセミナーの目指すところ。
前半の葬儀のお話しはとても良かった。
目新しい知識や実務上の問題点なども多く話され、メモを取るのも忙しい充実した講義。
この調子でいつもはもう少し話されるとのことですが、今回はコラボセミナーなので前半1時間で惜しくも終了し、ランチになりました。
30分のランチ休憩のあとに、後半の相続・遺言の話。
他人のセミナーに参加すると、どうしても講師目線で考えてしまいます。
更に、レジュメをパラパラめくっただけで、そのセミナーが良いものか、ダメなものかも大体分かる。
私もさんざんレジュメを作っていますので。
前半講義での、その三名はとても真剣に興味深そうに話しを聴いてらっしゃいました。
メモもよく取っていらっしゃいました。
その方の熱意が削がれる結果にならなければいいな、と心配するレジュメだったんですね。
案の定、その3名の方のうち2名は寝てしまいまして。
もっともお話しを伝えたい人3名のうち2名が寝てしまっては。。
それもそのはず、前半はとても楽しい話だったのに、後半は単なる相続の勉強会になってしまいました。
法定相続持分割合、養子縁組や前妻の子など相続実務のイレギュラー事例
他の士業の勉強会ならともかく、葬儀社主催のセミナーにいらした地域のお年寄りには辛すぎる内容です。
”これは、寝るよな、やっぱり”
文字だけが羅列したレジュメというのも良くない。
私がレジュメを作るときは、文字だけにならないように意識して作っています。
なぜ、文字だけになるかというと。
作る側が楽だからなんですよ。
ということは、そのレジュメから見えることは、
参加者のためのセミナーにはなっていない
そういうことなんです。
だって、その貴重な二時間を頂いて全力で理解してもらおうと思ったらですよ、
つまらないレジュメ、楽しくないレジュメ
そんなの申し訳けなくって作れないですよ。
そのような感じで前半講義とは見違えるような、それこそお通夜のような後半講義が終わって質問タイム
一番質問をして欲しい三人からの質問はいただけず。
まあ、当然ですね。
さて、今回のコラボセミナーで学んだこと。
講師2人、
一人の講師の出来が100点、もう一人が0点
今回のセミナーの全体の点数は何点かというと?
20点、です。
100と0を合わせて割って、50点になりそうですが、そうはならないです。
たぶん今回の三人はもうセミナーに来ないでしょうし、近所の人やお友達にオススメすることもないでしょう。
もしかしたら前半講義の力でそうなるかもしれませんが、その確率は20%です。
コラボセミナーの出来不出来は、自分だけでなく相手の出来不出来にも大きく左右される。
だからこそ、そのセミナーの全体の方向性なども事前に良く話し合うことがとても大切。
もしくは、打合せなどなくても、それを推し量ってくれる講師と組むこと。
葬儀社としては、自社のサービスの特徴をお客さまに理解して欲しいわけです。
並み居る葬儀社と違って、地域密着の自社だからこそ!!、という点を。
もう一人の講師は、それをサポートしたい。
例えば、私なら。
残される家族が大変だから事前の準備が大切。
だからこそ、エンディングノートなどを作り、慌てることがないようにしたい。
葬儀の面でも、前半の講義でも説明があったように、遺影のことや葬儀の金額のことなど、葬儀社としっかりと打合せをしたほうがよい。
なぜなら、そういった事前準備こそが、遺族がゆったりとして気持ちで最後のお別れをする最善の方法だから。
そういった組立をするでしょう。
特段の打ち合わせも要らないですね。
別にこれってお客さまにとっても少しも悪いことをしているわけでもありません。
何も決めないまま、病院で息を引き取られ、霊安室に連れて行かれるまでの間に本意ではない葬儀社にお願いせざるを得ない状況こそよほど不幸。
私もエンディングノートの解説書籍を書いていますし、母親が死んだときにも大変な思いをしたので、真実味を持って”ああしてほしい、こうして欲しい”といったこともお伝えすることが出来ます。
コラボセミナーを成功させることって、講師側のためじゃあああないんですよね。
参加してくれたお客さまのためなんです。
お客さまの大切な二時間を無駄にさせないため。
だからこそ、セミナー主催者は全力で「成功」させないとダメだと思います。
行政書士阿部総合事務所
行政書士阿部隆昭