ごみ屋敷招く行政の放任 「発見・支援・見守り」を
というタイトルのヤフーニュースを読んでいました。
<ごみ屋敷>背景に「セルフネグレクト」か 専門家に聞く
家屋に大量のごみをため込む「ごみ屋敷」。背景には、高齢による体力低下や認知症などでごみの適切な処理ができないことや、生活意欲が衰えて身の回りのことができなくなるセルフネグレクト(自己放任)があるとされる。この問題に詳しい岸恵美子・東邦大教授(公衆衛生看護学)に現状や課題を聞いた。【工藤哲】
体力低下、認知症、生活意欲の衰え、なるほどなあと思います。
しかし、これでは体力が有り余っていて、メンタルも健康な若年層のゴミ屋敷の理由付けが出来なくなってしまいます。
一番の問題は、自分から助けを求めない人には行政が手を差し伸べないこと(申請主義)。高齢者には、多少のことは我慢すべきだとか仕方がないと考え声を上げない人もいる。それを放っておくことは行政によるネグレクトにも成り得る。見て見ぬふりをすれば本人の健康状態がますます悪化するだけでなく、解決に大きなコストがかかってしまう。
もちろんゴミ屋敷化した物件の対処に行政のサポートは必要だけれども、行政に過度の期待を寄せるわけにもいかない。マンパワー不足もあるし、手を挙げたからといって全ての問題に対処出来るわけもなく、ましてや行政の側から潜在的なゴミ屋敷を調査するのも難しい。
体力的にゴミを出す力がない。
認知症になっているからゴミを出そうとも思わない。
他人に助けを請わずに自分でなんとかしなくちゃ!と思っているからなかなかゴミを出せない。
これらの方々は潜在的にゴミ屋敷を抜け出したいと思っている。けれども、行政をはじめ、第三者のサポートがないからゴミ屋敷のママを甘んじている人。
問題なのは、”ゴミ屋敷のままで良い”と思っている人たちなのです。
周囲からのサポートの申し出に対しても拒絶されるのがオチ。
サポートがないからゴミ屋敷になっているのではなく、ゴミ屋敷の居心地が良いからゴミ屋敷としてそこに在るわけです。
私がいま相談を受けているのは、若年者の方のゴミ屋敷。
ゴミ屋敷を抜け出す手段の問題ではもはやなく、ご本人の意識の問題なのです。
ゴミ屋敷をイヤだと思っているけれどもサポートがないからそうなっているゴミ屋敷
と、
ゴミ屋敷化した空間が好きでそこを維持したいと思っているゴミ屋敷
との問題を分けて考える必要があります。
もちろん、両者の問題解決に必要なのは、ゴミ屋敷の居住者の人権問題の認識。
ただ、人権という権利だけではなく、居住者本人のココロの問題にアプローチする仕組みを作ることがゴミ屋敷問題の解決を加速させることに繋がると思っています。
解決支援コンサルタント 行政書士阿部隆昭