犯罪の温床になっていたり、密かな心霊スポットとなったり、日本各地には「幽霊屋敷」と化した土地建物が点在します。
昔、隆盛を誇ったホテル、病院、工場
その跡地が幽霊屋敷化してしまうのはいくつかの原因があります。
運営していた企業の経営状態が悪くなり、土地建物を売却しても借金を完済することも出来ず、土地建物も利用制限があり売却も難しい
また、会社は解散し、清算人もほぼ機能しておらず、現実問題として誰も会社財産を整理するものがいない。
この状態をなんとかしようと思い専門家が乗り出そうとしても、元々債務超過の会社なので専門家に支払う費用が出ない。
こうして、誰も手を付けることができない幽霊屋敷がまた一つ生まれてしまうのです。
有用な社会資源ともいえる土地の活用をすることがほぼ半永久的にすることができないのは、日本社会にとっても大きな損失。
私の近親者にも工場を生業としていた者もおりますが、今現在は綺麗サッパリ処分して人手に渡っています。
もしも、
そのまま手付かずに土地や工場が荒れ地として残っていたとしたら。
負債を抱え、誰も手がつけられない土地建物として地域に永久に存在し、
「昔、◯◯さんの経営した工場があったところで、もうどうにもならないみたいよ。。」
と近所の噂のタネになるのは、その子孫としてはなんとも偲びないです。
幽霊屋敷化を防ぐためには必要な方法の一つは、直接の関係者が初動としてしっかり対処する。
会社所有の土地建物であれば、株主、社長、清算人、といった会社と密接な関係にある者が、
責任をもって初動対応をする。
株主は有限責任ですから個人資産にまで責任が及ぶことがない。
社長は、会社との委任関係にある者に過ぎません。
清算人にしても、清算人としての会社法上の職務がありますが、それを事実上放棄している会社が世の中にはゴマンと在る。
自分だけのことを考えるあまり、
後は野となれ山となれ
として何もしないで意図的に行方知らずになる。
幽霊屋敷化に一直線です。
株主、社長、清算人が責任を放棄して幽霊屋敷化になろうしているのであれば、
当時の状況を知る者
株主、社長、清算人の相続人や推定相続人
が存命なうちに早急に対処する必要があります。
株主が死んでしまえば、その相続人に株式が相続されてしまいます。
清算人が死んでしまえば、当時の会社の計算書類を確認することも難しくなる。
社長が死んでしまえば、「それはお父さんがやっていたことで私たち家族は分からない」と言われてしまう。
もう誰も手出しができなくなってしまう。
幽霊屋敷化になるのを知りながら放置するのも一つの選択
もちろん、それぞれに状況もあるでしょう。
自分が社長の近親者であったなら、
幽霊屋敷を生み出した◯◯さん
として後世に恥を残すのはちょっとイヤですね。
もちろん関係ないといえば関係ないのですが、なんと言いますか、社会に生きている道義的な責任といいますか。
血縁というファクターがなければ、全ては経済関係で判断するしかないです。
この幽霊屋敷化を防ぐためには、儲かるのか損をするのか。
損をするのだったら、もちろん行わない。
もしもそこにある判断基準が経済関係だけではなかったなら。
例えば、血縁関係のような。
儲からないけれど、亡き父の想いを綺麗に終結させるために幽霊屋敷化を防ぎたい
として、社長の親族が私財を投入する行為は日本社会のためにも素晴らしい立ち居振る舞いなのではないかと思います。