私の両親の実家の東北地方では、火葬のときに棺桶に六文銭(10円硬貨)を入れ、火葬後に参列者に受け取ってもらう、といった風習があります。
日本のどこでもやっているわけではなくって、地域性があるのかしら。
ウィキペディアによれば、
「文という貨幣単位がなくなった」「通貨を意図的に破損すると罰せられる」「火葬における副葬品制限で炉内に金属を入れることが禁じられるようになった」などの理由から、近年では六文銭を模して印刷した紙のものが使用される。
死者は遺族によって用意してもらった紙製の冥銭を米や塩と共に小さな布製の袋に入れたものを懐に入れた状態で、棺に収められる。
棺に入れるのが紙幣では、燃えて消えてしまいますよね。
故人の想い出づくりの意味合いの六文銭ということではないのかもしれません。
当時、火葬場で聴いたことがあります。
どうして、棺桶の中に10円玉を入れるのか?
周りの大人たちの答えはこうでした。
あっちの世界に行ってからでもお金使うでしょ、だからだよ。
そりゃお金は必要かもしれないけど、”10円玉じゃ何も買えないよ”、と思った記憶があります。
私のキーリングには、亡き母が端切れで包んでくれた「お婆ちゃんの六文銭」がついています。
お婆ちゃんが死んだときからだから、もう10年ぐらい付けてますね。
これを見ると、
親族一同で見上げた火葬場の煙突から上がる煙、
初めて経験した骨拾い(焼きあがった骨を遺族で少しづつ骨壷に入れる作業)
などが想い起こされます。