国民生活センターが公表したところによると「認知症等高齢者」の消費者トラブルが、2013年度に過去最高の件数となったとのことです。
センターのウェブサイトに載っている最近の相談事例を見てみます。
<最近の相談事例>
【事例1】
父と二人暮らしをしている認知症の母
母が電話勧誘で約5万円の健康食品を購入していたことがわかった。
母はこれまでにも色々な業者から電話勧誘によって健康食品を購入している【事例】
一人暮らしをしていた認知症の母の家を片付けていたところ、大量の羽毛ふとん等が部屋にあった。
認知症高齢者を消費者トラブルから守るためには、周囲の見守りが大切。
「周囲の見守り」と言ったところで、実際どうでしょうか?
あなたの地域にどれほどの認知症高齢者がいるかって知っていますか?
認知症高齢者がいる家族の方は、身内に認知症高齢者がいること自体を隠したがる傾向もあるようです。
家族の関係だって希薄になっている中、ご近所関係なんてもっと希薄になっているのかもしれません。
戸建てに住んでいれば未だ地域とのつながりは多少あるでしょうけど、マンション住まいだとほとんどないですよね。
私の実家は小さな工場をやっていたので、昼間は誰かしら近所の人がお茶を飲みに来ていていろんな話しをしていたものです。
「最近、あの人見かけないね〜」なんていう話題から、「具合わるいんじゃない?」って家に訪ねて行ったりしたこともありました。
時に鬱陶しく感じてしまうこともあるかもしれませんが、こういった地域のつながりがあれば、家族との関係が希薄でも消費者トラブルは防げることもあるでしょう。
自宅の中に入ることができないまでも、「◯◯さん家、スーツを着た男の人が最近頻繁に出入りしているけどなんだろう?」ってなるかもしれません。
家族はいるけど自宅に来てくれるのは二ヶ月に一回あるかないか、というのでは取り返しのつかないトラブルになっている可能性もあります。
他人の家族関係に入り込むことは出来ないのはもちろんですが、見守りを目的として地域のつながりは作ることが出来ます。
おそらく、あなたのお住いの街でもそういった取り組みはされていると思いますよ。
住んでいる自治体のウェブサイトの「福祉関連」のページを見てみるうちに、地域とのつながりを次第に感じることができると思います。
中にはボランティアを募集していることがあるかもしれません。
もしも、自分に出来そうなことがあったら参加してみるのもいいでしょう。
すでにある組織に参加しなくても、個々人の心がけしだいで地域の見守りに向けた取り組みはできるはずです。
トラブルを発見したら対処する仕組みは既に整っています。
問題はどうやって発見するか。
すべての人が「いつか行く道」です。
個人の負担にならない程度のやわらかい取り組みを考えたいと思います。
国民生活センター ホームページ
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140911_1.html