他人から良く相談される人、されない人と世の中には二通りの方がいらっしゃいますが、ある程度の年齢になったのに今まで一度も誰にも相談事を話されたことがない人は少ないでしょう。
相談を受けた限りは、専門外、関心外であっても、やはり、
「あなたに相談して良かったわ」
と言われたいですよね。
助けを求められたらそれに応えようと思うのが人間です。
私は行政書士として様々な相談を受けることが多いです。業界の経験も長く、特に、相続関連や不動産、外国人の入国管理については経験があるので他の専門家から相談されることもあります。
その中で気をつけていてーもう癖になっているのでアタマの中で自動的に処理されてしますのですがー、一般の方が相談を受けた際にもお役に立てる方法が一つだけありまして。
それは、
相談を受けた際には、まず時系列を整理してあげる。
な~んだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが意外に出来ていない。専門家だったら当たり前?
いやいや、専門家でも出来ていない人はものすごく多い。
なぜか?
専門家になる試験に、時系列でモノゴトを整理する科目がないから。
試験で、あるいはこれまでの人生で課題を与えられていないものは、自身で努力しないことにはスキルは備わらないのは当然のこと。
時系列を整理するというのは、文字どおり、何時、何が起きたのかを順番に整理すること。
ここで注意して欲しいのは、
時系列に整理する作業は必ず紙の上で行う。
ということ。
慣れてくるとついアタマの中でやってしまうのですが、私が相談を受けるときも毎度毎度紙に書いて整理します。
そして。
時系列がモノゴトの整理に向いている理由を一つ挙げてみますと。
時は一方向にしか進まないので、必ず、出来事を時系列に落とし込むことが出来る。
漢字が多いですが、難しくないので大丈夫です。
ノートを用意し、左から右に一本の横線を引くだけで準備はOKです。
そこに相談者からヒアリングした出来事を書いていきましょう。
これだけです!
タイトルどおり、「誰でも出来る!」というのはホントです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
不思議ではありませんか?
整理してそれだけ?
と思いますよね?
相談されたのに、解決策をお話して安心させてナンボでしょ、と。
そう、そうなのですが、精神論で全てのモノゴトが解決するわけではないです。
解決策をお話しするには、相談を受けた方に「策」のアイデアが浮かぶ必要があります。
専門家の方であれば、「策」をお話ししてさしあげる必要はありますが、一般の方が相談を受けた場合にはそこまでする必要はありませんし、相談をする側もそこまでは求めていないのが普通です。
じゃあ、どうすればよいのか?、整理してオワリでいいんですか?というハナシなのですが。
それでいいです。整理してオワリで十二分に相談を受けた方としての役割は果たしていると私は考えています。
なぜか?
相談事、悩み事って、大抵の場合、こんがらがっています。アタマの中がとっちらかっています。だから、何をどうしていいか分からないって頭を抱えるわけです。
この時の、「こんがらがり」の原因、大元は時系列を整理してあげるだけでスッキリと明らかになることが多い。
悩み事、相談事の元凶が明らかになったあとは、実は、相談者ご自身が自力で走り出そうとすることを私は経験で知っています。もちろん私の場合は、専門家なので「策」はご提案します。
さて、まとめましょう。
・悩み事や相談事を話された時に時系列で出来事を整理する。
・整理するときは、必ず、紙の上で行う。
たったこれだけのことで、あれだけ悩んでいた方がウソのようにイキイキと輝きはじめ、ついにはあなたにこう言うでしょう。
あなたに相談して良かったわ、と
行政書士阿部総合事務所 行政書士阿部隆昭