世の中、「無料」が大人気。
なるべく費用をかけずにサービスを受けたい。
これは当たり前なのでしょう、私もそう思うときもあります。
考えてみたいのですが、”有料でもいい”、”無料がいい”、と私たちは何で判断するのでしょうか?
対象が広くてもとらえどころがありませんので、エンディングノートに絞って考えます。
私が2014年に著作して随時更新しているエンディングノートは、このように定義付けました。
【阿部隆昭が著作した、高齢者が迎える死に備えて自身の希望を人生の終末期に書き留めておくノート及びその作成を支援する解説文一式、及びそれらを収めるために阿部隆昭が考案したA5版・6穴のシステム手帳リフィル形式を使用するものの総称】
つまり、中高年層の方が、今までの自分とこれから自分を整理するためのノート形式にしたツールのことです。
映画公開以来、エンディングノートという言葉の認知度は急上昇しましたので言葉だけは知っている方も多いでしょう。
その、エンディングノートには、「無料」のものと、「有料」のものとがあります。
何が違うのでしょうか?
有料のエンディングノートと、無料のエンディングノートは何が違うのですか?
遺言書やエンディングノートの講座などで講師をさせて頂くと決まっていただくのがこの質問です。
自分でエンディングノートを開発したことのない方には難問らしいです。
以前、エンディングノートの書き方講師といわれている終活カウンセラーの方にそう聞いたことがあります。
しかし、私には、ある想いがあってエンディングノートを著作したので、この質問には全く困りません。むしろ、有料と無料のエンディングノートの違いをご理解いただく場面なので大変に有り難い。
有料と無料のエンディングノートの違いを端的に言えば、
著作者の想いが込められているエンディングノートは有料です。
販促ツールとしての役割以上のものがないエンディングノートは無料です。
これで間違いありません。
販促ツールとしてエンディングノートを利用するのは、葬儀関連業者さんや墓石業者、老人ホームなどの介護施設、その他介護関連施設などが多い。
「販促」は、販売促進の意味です。何かの販売を促進したいわけなのです、そのエンディングノートを使って。
だって、エンディングノートは、それを売りたいだけのツールに過ぎませんから。
何を売りたいのかといえば、葬儀関連業者さんであれば、例えば葬儀の生前予約というサービスを買って欲しいでしょう。
墓石であったり、老人ホームの入居であったり、いわゆるバックエンドと言われる商品を売りたいのです。
誤解がないように念のため言っておきますが、私、これらを良くないことだとは決して思っていません。本当に良い、優れたバックエンドの商品やサービスを買ってもらいたいので、エンディングノートをキッカケに興味をもってもらう。これはビジネスなので当然です。
販促ツールとしてエンディングノートは、街や駅前で「無料」で貰える販促ツールと一緒なんです。
無料の販促ツールであるポケットティッシュと同じ役割でしかありません、無料のエンディングノートは。
当然ですが、無料のエンディングノートはポケットティッシュと同じなので、本来それに求められるクオリティーなどは正直どーでもいいわけです。
売りたいのはポケットティッシュの裏に挟まっている紙面のサービスであり、エンディングノートを配っている業者さんのサービスであるという意味では完全に同一です。
エンディングノートに「無料」という要素を求めるということは、それほどの価値しかないということです。
もう一度いいますね、大切なことなので。
無料のエンディングノートとポケットティッシュは同じ価値。
そう!、大切なのは、価値、価値、価値なんですよ。
エンディングノートは本来、、
といった話は、講座でも、このWEBサイトでも何度も繰り返しお伝えしてきて、正直飽きてきました。
というのは、全くのウソっぱちで、大切なことだと思っているし、日本人全員がエンディングノートを書いて欲しいと本気で思っているので何度でもどの機会でもこれからもずっとずっと言い続けます。
エンディングノートは本来、一人の人生の全てが一冊のノートに詰まったもの。
これまでに取得した財産や人との関係性、介護や葬儀の希望、借金や土地建物などの財産、これまでの経歴、大切な人へのメッセージなどを書き留めることで、常に傍にいて自分のパートナーとなるのがエンディングノートの理想だと考えています。
エンディングノートというタイトルではありますが、決してエンディング(終末期)の場面だけに使うわけではありません。
そもそも、私がエンディングノートを作ったほうがいいと思ったのは、母親が死んだときの経験があるからです。
闘病の末だったので、やろうと思えば準備はすることが出来たはず。
でも、しなかった。
もしも、エンディングノートというツールがあることを知っていたら、きっと、生前にエンディングノートに求められることを書き留めていたと思います。
本人にそのチカラが残されていなかったとしても、本人に聞きながら私たち家族が書き留めていく作業は感慨深いものがあったでしょう、きっと。
もちろん、エンディングノートが残されていたら葬儀の参列者選びにも迷うことがなかったでしょうし、葬儀の型式や価格帯についても混乱することがなかった。
エンディングノートを書くことによって、それぞれの家族の状況にそった価値が生まれる。
気持ちの面や、機能的な面。
だからこそ、エンディングノートは皆に書いて欲しいと思った。
ですが、従来市販されているエンディングノートには、満足いくものが何一つありませんでした。
ブームに乗ってエンディングノートを書いてみようと思った人でも、途中で挫折してしまう型式のエンディングノートも多い。
そもそも無料のエンディングノートには、エンディングノートを書き進めて欲しいとか、エンディングノートを完成して欲しいといった工夫が一切ない。
であるならば、自分で作ってみようと書き溜めたのが、私が著作した『週末相続ノート』です。
今でこそあまり使っていませんが、一時は、「週末相続トレーナー 行政書士阿部隆昭」と名乗っていました。
エンディングノートなんて忙しくて書く暇なんてないよ
という方にも、「週末のスキマ時間でコツコツと、今までの自分とこれからの自分を整理する」というコンセプトを考えて、エンディングノートには『週末相続ノート』というタイトルを付け、それを伝える役割という趣旨で「週末相続トレーナー」という肩書で活動もしていました。
長文をお読みいただきありがとうございます。
ここまで書いてきましたように、私が著作したエンディングノートにはこれだけの想いが込められています。
ポケットティッシュのように使い捨てにされるような代物ではありません。
エンディングノートを書き進めて欲しいための工夫や、エンディングノートを書いたことで得られる価値も感じ取ることが出来るようになっています。
『週末相続ノート』はAmazonの電子書籍でリリースしています。しかし、それは買わないでください。リンクも貼りません。
今年の8月に紙の書籍タイプとしての週末相続ノートがリニューアルして全国発売されます。
まだ詳細を公表することは出来ませんが、有料のエンディングノートになります。
何だ!あんたの宣伝かよ。
と思われた方、大丈夫です、私の著作のエンディングノートは買わないでもらって何も問題ないです。
価値の感じ取り方は、人によって違うのは重々承知しております。
ただ、無料と有料のエンディングノートの違いを説明するにはこうするのが適当だったので私の著作のエンディングノートを利用しました。
もしも、エンディングノートに価値を求める方がいらっしゃったら、8月の発売を楽しみにしていてください。
そうでない場合には、無料のエンディングノートをもらったり、無料のエンディングノートをダウンロードしたり、そこはもちろん自由です。
「有料と無料のエンディングノートは何が違うのですか?」という質問に対する行政書士阿部隆昭の答えです。
行政書士阿部総合事務所
行政書士阿部隆昭