60歳以降、嘱託社員としてお仕事をされていた方が退職されるというので、ご挨拶に行ってきました。
元大手の都市銀行員。
今は、金融系の事業会社で融資の審査業務に従事している方。
その部署で誰よりも、間違いのない事務作業をする方と私は認識しています。
事実、その方が担当となった案件でのトラブルは極端に少ない。
他の担当では、連絡が蜜でなかったり、業務の分掌が上手く行かず直前まで誰も手を付けていなかったなり、といったことが頻繁に起きていました。
そんな状況なのに、65歳だから、といったことだけで職場を離れるのはちょっと理不尽な気はします。
その方の代わりに勤務されるのは、業界経験に疎い嘱託社員の方。
人材をまわさなければならないといった面があるのは仕方ないと思うんですが、これって顧客の方向を向いているのかなと思います。
明らかに顧客サービスはガクンと落ちる。
◯◯さん、まだ全然お仕事できるんだから、関連業種に移ってやればいいのに
いやいや、この歳だとねさすがに雇ってくれるところないよ。
会社の役にもたってないしさ。
それに、もう身体もガタがきちゃって。
なんて、寂しいことを言うわけです。
年齢による退職、っていう事実が気力も奪っていくものなのかなって思いました。
本人が本意としないところで外堀から埋められていくような。
自分は全然イケると思っているのに、いつのまにかエリアが狭くなっている。
役にたってないなんていうけど、自分からみたらすごい役にたってる。
「会社や社会に対する貢献度」、なんて指標がもしもあったとするなら。
それには、貢献しているとハッキリ分かるものもあれば、よく見たり考えたりしないと分からないものもある。
会社でいえば、最も分かりやすいのは「売上」だったり、「勤務時間」。
すべて数値化できるものは分かりやすい。
誰でも分かる。
無能な上司、と言われる人でも、もちろんわかる。
なぜか。
数値が大きいか、少ないか。
これしか判断しなくていいから。
すごい楽。
早出残業してる。
売上をあげている。
だから会社に功績をあげているイイ社員。
すごい楽。
でも、ちょっと考えるとどうだろう。
早出残業、ムダじゃない?残業代もらうためじゃない?
直接の売上はそうだけど、それって他の人の協力、必要だったよね?
当面はやることないから、趣味の釣りをやったりするかな、って。
こうして社会に必要な人材が第一線を退いてく。
社会の循環の仕方として正しいのかな。