最近、不安定なお天気が続きますね。
おはようございます。
週末のスキマ時間でコツコツと今までの自分とこれからの自分を整理する「週末相続トレーナー」行政書士阿部隆昭です。
昨日は、私が所属している公益社団法人成年後見支援センターヒルフェの研修に出席しました。
若干内部のお話しにはなるのですが、ヒルフェの理事長が平成27年6月に交代され、東京都行政書士会会長の常住豊先生が新任されています。
常住先生は、東京都行政書士会の会長になるまでは、私が所属している東京都行政書士会の北支部の支部長先生でしたので、その理念に触れることも多くありました。
たまたま、研修終わりでヒルフェのWEBサイトを見ていましたら、常住理事長の挨拶が掲載されていましたので、転載したいと思います。
なぜ、こんな内部の話しをしているのかといいますと、ここに成年後見人としての役割や、求められていることが端的に現れているからです。
公益社団法人成年後見支援センターヒルフェ
理事長挨拶
平成27年9月1日
ごあいさつ
公益社団法人成年後見支援センターヒルフェ
理事長 常 住 豊
平素は、当法人の活動にご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。
平成27年6月12日、公益社団法人成年後見支援センターヒルフェ理事長に就任しました常住豊と申します。全身全霊を捧げて、成年後見制度の普及・啓発に励む覚悟でおりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
公益社団法人成年後見支援センターヒルフェは、東京都行政書士会が社会貢献の一環として設立しました。認知症の高齢者や精神障がい者及び知的障がい者(以下、高齢者等という)の財産管理と身上監護を行う成年後見制度において、良質な後見人を輩出することにより、高齢者等の権利の擁護と福祉の増進に寄与することを目的としています。
団塊世代が後期高齢者を迎える2025年問題が提起される昨今、良質な成年後見人の育成は急務なことと考えます。様々な専門家集団が連携して、この問題に取り組まなければならないといえます。
その中で、行政書士は次の3点において、成年後見人に適していると考えています。
1点目として、行政書士は国家資格者の中で、最も地域に密着した資格者であるということです。成年後見の活動は、成年後見人単独で実施しても限界があります。ケアマネージャー、介護ヘルパー、医師、区市町村役場、社会福祉協議会、介護施設など、地域における様々な方々や関係機関と連携する必要があります。この点において、地域密着型の国家資格者である行政書士は優れているといえます。
2点目として、行政書士は対話促進型紛争解決手法を身につけているということです。行政書士の業務は、市民と役所の架け橋となるべく、許認可申請に代表される行政の手続きをしています。また、昨今は複雑化多様化する世の中において、市民と市民との架け橋となるべく、協議書や契約書の作成をしています。これらの業務に共通していえることは、違う立ち位置の方の間に立って、合意を形成して手続きを進めるということです。行政書士は、これらのことを業務を通して体験的に修得しています。このことにより、意思表示のしづらい被後見人の方であっても、その残存能力に着目して、最大限の意思表示を引き出せることができると考えています。3点目として、行政書士は予防法務の専門家であるということです。行政書士の業務としては、行政手続きと市民法務の2点に集約されることは、先に述べたとおりです。これらの業務は、ともに予防的措置を行うということです。先を見越して、不測の事態に陥らないようにするために、行政手続きを行ったり、協議書や契約書を作成したりします。これらの業務をとおして、行政書士には先々を考え合わせて、より良い方法を見いだすことが身についています。成年後見制度は、“転ばぬ先の杖”の役割をしなければなりません。そうだとするならば、成年後見人は先を見越して、被後見人の利益のために意思決定をし行動しなければなりません。このような観点からも、行政書士は成年後見人に向いていると考えます。
私たちは、成年後見制度の適切な運用のために全力を挙げて取り組む所存です。そして、成年後見制度の専門職団体として高度な専門的能力と深い倫理観を持ち合わせた成年後見人の集団として活躍していく所存です。市民の皆様から愛され期待される団体となれるように努力を重ねてまいります。今後とも、よろしくご支援の程をお願い申し上げます。
個別のリンクを貼れないため全文を引用し、ポイントとなると思った箇所をハイライトにしました。
社会福祉士さん、司法書士さんなど、他の専門職後見人の方には異論がある方がいらっしゃるかもしれません。
私自身は、理事長のおっしゃている行政書士が成年後見人として適している三つの理由は合理性があると考えています。
特に、第一点。
これは、私が地域の高齢者支援の活動を続けている中で体験的に感じていることです。
成年後見人の役割をその制度趣旨にかなうように務めるには、どうしても地域の連携が必要になってきます。
地域包括支援センターや社会福祉協議会などの公的機関はもちろん、民間で活躍する地域ささえあい活動の方々とも繋がりをもったほうがいい場面もたくさんあるでしょう。
その意味で、財産管理面の知識武装が完璧というだけでは成年後見人として求められる資質として不十分なのは明らかです。
横領などのニュースがあると、とかく専門職後見人だけがクローズアップされてしまう傾向がありますが、努力している人は努力していますし、地域のために活動しようと考えている人はそうしています。
成年後見人は、被後見人およびそのご家族と相対で接する立場の人。
気心の知れた、といいますか、専門職後見人として選ばれる場合でも、できればよく知っている方のほうが良いですよね。
後見の申し立てをしたとして、ある日突然、
今日からあなたの後見人です!
と言って、目の間に知らない人が登場するよりも。
日頃から顔見知りで信頼のある、あの先生が、私の後見人になってくれる。
地域ささえあい活動でよく見かける熱心な、あの先生が、私のお父さんの後見人になってくれる。
”誰だかよく知らない人”
よりも、
”よく知っているあの先生”
のほうが、もしも、自分の親の成年後見人に就任してくれるのなら安心です。
私は、「あの先生」になることが出来るように、これからも地域の高齢者支援に専門職として取り組んでいこうと思っています。