表紙はまったくイケてないですが、内容はいいですよ。
著者は、Yahoo!!BBの立ち上げに参画された方のようです。
当時の仕事のやり方を通して、組織とはどうあるべきかを解説した本です。
キックオフのタイミングに決めておくべきことは、スコープとアウトオブスコープの確認だ。
スコープは、やるべき範囲
アウトオブスコープは、やらない範囲のことである。
キックオフミーティングのときは、ついやることばかりを決めてしまいがち。
やらない範囲を決めるって大切ですよね。
プロジェクトの立ち上げ時はなんでもかんでも手を出しやすい。
その結果一つ一つの精度も落ちるし、結果が出るスピードも落ちてしまう。
一つのボールを追いかける仕事のやり方というのも参考になる。
ソフトバンクのビジネスは、波のスピード感では間に合わないことが多い。
そのため、リソースを一点に集中させて立ち上げることが少なくない。
みんなでボールを追いかける子供のサッカーのごとく、ひとつの仕事を集中的にみんなでとりかかる。
大勢でとりかかることでスピード感が増し、複数の目があることで凡ミスも防げるという。
コラムも興味深いものが多いです。
ソフトバンクのドキュメント術
ソフトバンクでは、「孫社長は、3行以上の文章は読まない」ということが実しやかに語られている。
だから3行の中に最大のメッセージを込めなくてはならない。
伝えたいことを簡潔かつ網羅性のある言葉にしなくてはならないのだ。
孫社長がエレベーターから車に乗り込むまでの3分間でプレゼンして承認をもらうまでのストーリは4ページのコラムですがドキドキしました。
「仕事術」というタイトルからすると、若干期待はずれかもしれません。
「◯◯術」というほどの明快なメソッドが羅列しているわけではありませんし。
章立てされた内容を読み込んで、自分自身に落とし込みながら読んでいくといいですね。
内容的にはとても参考になりますし、緊迫感のある読み物としてもおもしろい。
特にプロジェクトで仕事をするサラリーマンにはオススメできますね。