元NHKキャスターでスピーチコンサルタントの矢野香さんの話し方本です。
「89年受け継がれてきたNHKの話し方を一挙公開」
というサブタイトルどおり、読み応えのある内容になっています。
中でも、第2章の
「NHK式7つのルール」をマネればあなたの話し方が一変する!
がオススメ。
第一のルール
話す目的をハッキリさせる。
話す目的をハッキリさせるとは、
「誰に」
「何を」
「なぜいま」
「なぜあなたが」
という問いに答えることなのだそう。
「何を」伝えるかは、大きく分けると「事実」と「感情」の二種類
「事実」と「感情」
伝えたいことが事実のみになるとは、会議で数字やデータだけを羅列する場合です。
そこには、話し手であるあなたの、聞き手に対する「想い」が見えません。
反対に伝えたいことが感情のみになってしまっているケースもあります。
自分の気持ちや情熱は熱く語りますが、数字やデータに触れないと、現実味と客観性に乏しく説得力がなくなります。
伝えたいことには、「事実」と「感情」の両方が入っていることが大切です。
「事実」だけでもダメ
「感情」だけでもダメ
というあたりは、私自身、講座で話す際に感じていたことでした。
確かに、「事実」や「理屈」だけを単に話す講座はとても退屈です。
先日講座の打合せをした高齢者の方もおっしゃっていました。
法律の話しばかりずっと話されるから、もう、婆さんたち、みんな寝ちゃってさあ
と。
「なぜあなたは」、それを伝えたいのか?
という部分が見えないと満足に話しを聞いてもらえません。
エンディングノートのセミナーでは、
自分の母親が死んだときにとても苦労したから自分でエンディングノートを作ってみた。
という話しをすることもあります。
この話題を途中で入れたときの参加者の方々の反応は明らかに違っていて。
登壇している側から見るとそれは見事に分かります。
下を向いていた方は顔を上げ、メモを取っていた方は書き物の手を止めたり。
こういう想いがある。
だからこれを伝えたいんだ。
自分自身のためのセミナーだったらどうでもいいのかもしれませんが、参加者にたくさんのモノを持ち帰ってほしいのであれば、「伝わる話し方」をしなければなりません。
伝わるためには、「事実」と「感情」との両方が大切
そういうことだったんですね。
さすが!NHK、すごい。
勉強になります。
残り6つのルールというと、
第二のルール
「13文字以内」でタイトルをつける第三のルール
結論は「最初の15秒」で言う第四のルール
「一文50文字以内」にする第五のルール
「四つの抑揚」で強調する第六のルール
「1分300文字」でゆっくり話す第七のルール
独り言から入る
立ち読みでいいので書店でパラ見してみるといいですよ。
根拠があるお役立ちアイテムがたくさん載っているので、そのままレジに持っていきたくなるでしょう、きっと。
私的には、書店で確かめなくてもAmazonで買ってしまって問題ないレベルの良書です。
あっ、最後に。
自信がなくても手を机の上に出すだけで提案が通る?!
この項も、えっ?!ってなりました。
なるほどそうだったんですね。
読んでよかった。
オススメです!
行政書士阿部総合事務所
行政書士阿部隆昭