ちょっと狭いけど、私のターゲットの本はよく揃っているのでちょくちょく行ってます。
本屋さんって、トイレに行きたくなったりするものですよね。
八重洲ブックセンターって書籍の量はすごいでんすけど、トイレが少ないんです。
休日に法律書とかずっーっと見てると困る時があって。
ここの三省堂はテナントビルの1階、2階にあって、それぞれの階に広めのトイレがあって、なんとなればその上の階にもトイレはあります。
そして八重洲ブックセンターと違って、こっちはホントの駅前、改札出て30秒で行けます。
出版社に訪問する前にですね、本のタイトルってどうやってみんな付けるんだろうって思って。
二階に上がってすぐにあったのがコレ。
『残業ごはん』
すごい、残業終わって帰ってからサクッと作れるお食事でしょ、こんな短いタイトルなのに内容までわかるってスゴイ!
手書きのポップって多いなあと思いながらブラついていて見つけたのがコレ。
「基本中の基本」
「定番にして永遠」
「基本中の基本」
なにこれ、スゴイなって思ったら『Forest』
Forestか~、もっともです。
「この書店にある英語の基本書全部取っ払ってコレ一冊でもいいと思っています」
ぐらい書いてあっても納得。
「集めました!」
うん、集めたのね
これは、って思ったんですが。
読み終えて今、本当にこの本は最強だと心から思っています。
どのお話しも普通じゃなんです。
へっ?普通じゃない?
なんでなんで?って思ったんですが、
それは、この本に描き出された恋や愛の純度が高くて、深度が深いから
でも、ほら小説だから薄っぺらな愛や恋が満載ですっていうのはないし。
たいていは、現世じゃなかなか味わえないような濃密さが描かれているわけで。
なんか、この理由じゃココロ動かないなあ。
そんな思っていたら、70代のおじいちゃまが店員さん連れてですね、
「ムラカミリュウって人の本はどこ?」とかって歩いてくるわけです。
この年代で初村上?!、すごいイイと思って何の本を選ぶかこっそり付いていったんです(スイマセン)。
間違っても、コックサッカーは選ばないでくれって思いながら。
結局、その方は村上を購入することなく別コーナーへ。
さて、出るかなって思って本棚を一回りしたところで。
本当に本当に
そんなそんな
じっくりじっくり
1文 1文
すごくすごく
小さな小さな
なんでこんなに繰り返し多いの?
奇跡の軌跡
韻ふんでるやん。
なんじゃコレって思ったんです。
でも、ですね。
何回も何回も読んでいると、伝わってくるんですよ。
すごい、グッとくる。
エプロン着た店員さんがね、『猫を抱いて象と泳ぐ』を両手に持ってですよ、
もうこれホントにホントにすごいんです。
何年かに一冊の大傑作なんです。
涙をこらえて必死に読んだんです。
胸を張っておすすめ出来るんです。
読み終えてしまうのはもったいないぐらいなんです・・・・
って言われている気がね、してくる。
「わかったからわかった、読み終えちゃうのがもったいなくて、でも先を読みたくってって言うのもスゴイ分かるよ。
買うからホント買うから大丈夫」
という会話を脳内でしながら、レジに持って行ってしまうわけですよ。
このポップね。
見事に役割を果たしている。
しっかり伝わっている。
稚拙な文章なんかじゃ全然ない、目的を100%実現するすごい力をもった文章だった。
だって、あんな小さな紙一枚で売上立てちゃうなんてホントすごい。
自分がいいと思ったこと、これだけは何としても伝えたいと思ったことは、もう、これぐらいの熱情をもって訴えかけないとダメなんだ。
そうじゃなきや、人は動かない。