音楽に興味がない方でも、何かの商品やサービスを潜在顧客に販売したいと考えている事業者には参考になる内容ですのでぜひ最後までお読みくださいませ。
私、行政書士阿部隆昭はサックス演奏を趣味としています。
使っているサックスは大学時代に大手サックス教室に通った際に購入したもの。
YAMAHAの初代62と呼ばれるアルトサックスです。
これまで新しく購入したマウスピース(サックスの吹き口につけるパーツのようなもの)は、
メイヤー 5MM → ウッドストーン(メタル) → ダダリオジャズセレクト(ラバー)
ジャズセレクトを買ってから2年ほど経っているかもしれません。
アマチュアのサックス吹の中には、頻繁にマウスピースを換える方も多いですが、私はたぶん少ない方。
とはいえ、うまく吹けないときには、サックスが悪いんじゃないか?、マウスピースが合っていないんじゃないか?とも思ってしまします笑
ですので、いい感じのマウスピースがあれば買って試してみたいなあと思っています。
つまり、マウスピースを販売する側にとって、私は潜在顧客のポジションです。
”餌”を垂らせばいつでも”パクッと”と食べそう。問題は、その”餌”の種類や性質や価格ですよね。
ということを踏まえて、ジャズセレクトは限定のマーブル模様ですし、音も特に不満はなかったのですが、たまたまマウスピース探しの旅に出てしまい、「Syos」(日本語読みでは、サイオスと読むそうです。)を購入しました。
ところで、購入へ至る「旅」のことを、マーケティング界隈などでは「カスタマージャーニー」と呼んだりします。
一般消費者が、商品を知って、調べて、購入して、評価して、という体験を「旅」になぞらえるわけですよね。なので、カスタマージャーニー。
結論からいえば、私のこの「旅」、大正解でした。
1、知る
そもそも新しいマウスピースを探していなかった私は、なぜSyosを知ったのか、ですが。
サックスのほかに、コロナ禍でギターを練習するようになりまして。
コロナ全盛期は、カラオケもスタジオも営業していない時代がありましたよね。
新しくブルースギターもやってみたいと思い、それ用のギターってあるんだろうか?、などと初心者ながらもインターネットを観ていました。
今の時代、商品を探す作業もGoogle検索よりも、YouTubeの中に入ってから動画を検索するケースも増えてきました。
逆にいえば、サービスを提供する側、商品を販売する側も、潜在顧客からYouTubeで調べられていると考えられます。例えば、
歯医者さんに罹ろうと思ったとき、YouTubeで検索し、良さそうなお医者さんがいる病院に行ってみる。
欲しい商品があるときは、その商品の評価などを先にYouTubeで情報収集する。
さて私の場合。
新しいギターをYouTubeで検索していたときに、関連動画でサックス周りの「関連動画」を観てしまう。
↓
好きなサックス奏者や曲の動画も観てしまう。
↓
ギターを探していたのに、ギターよりもサックスの興味が高まってしまう。
↓
新しいマウスピースとかあるのかなあ??
という「旅」の入り口で、より”餌”の欲求が高まっている状態。
お腹ペコペコなので、なんとなく良さそうレベルでも、”パクッと”いっちゃいそうです”
そしてこの見た目にも新しい「Syos」のマウスピースを知ることになります。
2、比較検討する
「比較」という文字からして、「何か」を比べないと比較にならないですよね。
従来のマウスピースは素材の影響で、黒系か銀とか金がほとんどでした。
それらに”比べて”、この「Syos」のカラーバリエーションは豊富。私が購入したのは黄色ですが、紫やら赤、緑など12色のクレヨン全色分ありそうな感じ。
また、従来のマウスピースは、手作業など削り出しという作業(私も高専時代に鉄素材ですが削り出しはさんざん授業でやった思い出があります。)が多かったのですが、この「Syos」は3Dプリンターで製作されているとのこと。
なんだか先進的です。
元々、育ちがエンジニア系なので、テック系の商品やサービスには興味があります。
さて比較検討の最も大切なところ。
価格です。
正確にいえば、その商品やサービスが提供する「価値」に対応する「価格」ということになりますよね。
提供価値が低いんだから、まあこれぐらいの金額が妥当だよね。。
こんなに価値が高いものを、この金額で買ってもいいんですか?!
といった感情を抱くことってありますよね?
YouTube動画のコメントで、「こんなにすごいものを無料で観れてしまうなんて」とあります。また、「有料級」などと謳った動画も見かけることもありますよね。それらは、みんな上記のような感情をもとにしています。
ということは、商品を販売する側、サービスを提供する側は、常に消費者に価格で比較されていて、正確にいえば価値に対する価格で比較されています。
され今回の「Syos」は、価格2万円前後が普通のようです。
マウスピースの金額レベルとしては、高額なものでは8万円台もあるので、どちらかといえば安いほうと言えるでしょうか?
先ほどお伝えした今まで購入したマウスピースたちの価格は、
メイヤー 5MM(確か2万円弱) → ウッドストーン(35000円ぐらいかな) → ダダリオジャズセレクト(確か17000円ぐらい)
今まで私が購入してきたマウスピースの価格と「比較」して、高くはない。
一般的なマウスピースの価格と「比較」して、高くはない。
と、「旅」の途中、私は頭の中で考え、さらに旅は続きます。
ところで、この「Syos」って音とか吹奏感(拭きやすい、とか吹き心地みたいなことです)はどうなんだろう?
「音」を伝えるのに写真や図では難しく、そのときこと「動画」が相応しいですよね。
これ、商品やサービスを提供する側にとって、どのプロモーション手段が最も顧客に伝わるのかを考える必要があります。
クリエイティブ関連を伝えるには、YouTubeなどの動画メディアはもっとも役に立ちます。
逆にいえば、「旅」の検討にあたって、音を知りたかったのでYouTubeで調べることにしました。
「Knoel Scott」というプレーヤーは、それまで知りませんでした。
なのですが、この艶っぽい音のニュアンス、実に好みです。
ブルーノート東京で大昔に聴いたフィルウッズのような、キラキラ感が溢れ出していますね。
とはいえこれらは私個人の感覚なのでどうでもいいのですが、比較検討していた商品がズバリ潜在顧客の琴線に触れた、ということなのです。
それから、彼のplayをYouTube上で一通り聴き、納得。これ欲しいかも!
もちろんマウスピースというよりも、本人のフィジカルがこの音を作り出しているということも分かっているんですが、それでも尚ということですよね。
価格や品質の検討は終わりました。この「旅」を続けよう。
ですが、これ、輸入ものらしいけれどもすぐに届くのだろうか?
商品やサービスを提供する側からしますと、顧客の気持ちが高まっているときに提供した方がいいわけです。
運営力、オペレーションの問題ですよね。
その商品が欲しいけれども、2ヶ月待ち!。それなら今回は買うのは止めとくか。。
今すぐに肩こりを治したいのに、予約制なら別の施術を探してみるか。。
欲しいときに欲しいものが手に入る。
欲しいときに欲しいサービスが受けられる。
これもカスタマージャーニーを完遂させるために必須のことです。
「Syos」については、調べてみるとモデルによっては「在庫あり」・「取り寄せ」の差があるようでした。
ですが、私が欲しい 「Knoel Scott」モデルは在庫あり!
欲しいときに欲しいものが手に入る状態です。
3、購入体験
いよいよ旅の最終章ですね。
実は、カスタマージャーニーという旅は、「購入」で終わりではありません。
その後、が大事!
リアルの旅でも、ここに来てよかったなあ、とか。この旅に行ってみてよかったなあ、と思いますよね。
商品を購入したとき、サービスを利用したとき、私たちはその選択が間違っていなかったのだ!、と安心し、納得したいわけです。
なぜなら、「比較検討」という少なからず、”迷った”末に行き着いた「購入」だから。
ちょっと高いから買うかどうか迷ったけど、信頼できる業者かどうか迷ったけど、自分の選択は間違いなかった!
今回私が購入したものは、「商品」ですので、自身で使ってみて感触を試すことが何よりの納得手段です。
実は、この瞬間は消費者にとってみたら怖いですよね。
一音、吹いてみて「恐怖」は払拭されました。
今までのマウスピースと全く異なる吹奏感。
吹き込んだ息が、マウスピースを通り、管体全体が震える感覚がダイレクト。
音の”丸み”も今までに味わったことがない感覚。
買ってよかったああ
これがよく言われる「顧客満足」ですよね。
購入した私は、今までの「迷い」がなんだったんだ!、というほど満足しています。
なんなら、
もっと早く買えば良かった!!
と思えるほど。
皆さんの中にもありますよねきっと、”もっと早く買えば良かった”、”もっと早く利用すれば良かった”と思える商品やサービス。
「もっと早く買えば良かった!」という言葉の前には実はこんな言葉が隠れています。
「買うかどうか迷ったけど迷ってる時間無駄だったー、」もっと早く買えば良かった
そう思うと私たち、他の迷っている人たちに向かって、迷わなくて大丈夫、買っちゃって大丈夫だよ
と教えたくなるわけです。
これがいわゆる「口コミ」です。
私が今書いている文章、間違いなく口コミです。
「Syos」の潜在顧客相手に対して、迷わなくて大丈夫!、買って大丈夫!!というように、口コンでいるわけです。
皆さんの中にもあると思います。
高いから迷ったけど、価格以上の価値はあるから、買ってみたら?
全然期待してなかったけど利用してみたらすごかったから、◯◯さんもやってみたら?
とかを思わず、口こんでしまった経験。
顧客満足をした結果、プラス評価としての口コミをして、私のカスタマージャーニーは終了しました。
私たちは、商品を購入し、サービスを利用して暮らしています。
もちろん細かくステップを考えてそれをおこなっているわけでないですが、一つの視点として細かく段階を踏んでいることは確かです。
逆モーションで言えば、商品を売っている側、サービスを提供している側は、消費者がこれらの段階を踏んでいるということは理解する必要がありますよね。
さて、私はというと、知人のサックス仲間に「Syos」の凄さを伝えてきます笑
行政書士阿部隆昭