現在数多く在る民泊関連のニュース報道の影響なのか、”民泊を始めたい”という方のお問い合わせが増えています。
不動産関連事業者でもなく、不動産投資経験もない一般の方が民泊を事業として始めるには何から始めれば良いのでしょうか?
今、さりげなく「事業」としてという言葉を使ったのには理由がありまして。
「事業」というからには、ビジネスとして継続できる仕組みが必要です。
また、その仕組みを回すには、その事業だけで黒字化できる計算が成り立つ必要もあるのです。
せっかく苦労して民泊を始めたはいいけれど、苦労ばかり多く、また少しの利益も出ない、というのではモチベーションも下がるばかりではなく事業を閉鎖することにもなりかねません。
ということをお伝えしたうえで、民泊を始めてみようと思っている一般の方に考えて欲しいのは、民泊を始めることと時民泊を事業として回すこととは全く別ということ。
民泊を始めたい、という方は二つのケースに分かれます。
1、訪日外国人のために何かしたい!
2、インバウンド需要を見込んで一儲けしたい!
「一儲けしたい」というのは全く悪いことでもなんでもなく、事業として民泊を継続的に行うには儲ける必要があります。その事業単体で黒字化できるようでないとビジネスは始めてはダメ。
民泊で一儲けしたい方が最初に考えるのは、いくら儲かるのか?ではなく、そもそも民泊を始めることが出来るのか?ということ。
「民泊対象物件」を賃借したり、購入して事業として民泊を開始する方はその辺りを考慮している方が多い。
ですが、すでに空き物件を所有していて、なんとかそれを民泊として有効活用したい、あわよくば利益を出したいと思っている方々にはぜひこの視点で一度考えて欲しいと思います。
その物件はそもそも民泊に出来るのですか?
違法民泊は論外なので考慮から外しますが、現状(民泊新法施行前)で民泊といえば、旅館業法の「簡易宿所」を指すことがほとんど。一部の「特区」での例外を除けば、適法に民泊を業として行うには旅館業法の許可を受けましょう、というのが行政の見解であり法律のルールです。
従いまして、お手持ちの不動産を民泊として転用できるかどうかは、現状、旅館業法の許可を受けられるかどうか、とほぼイコールになります。
旅館業法の許可申請は、国家資格者である行政書士から言わせてもらうと比較的難しい部類の許可申請です。
営業所所在地の保健所に照会するのはもちろん、消防など関係所轄庁に確認をする必要があるからです。
この手続きが結構な手間なのです。
一般の方々が、旅館業法の許可申請を最初から最後まで行うのは手間も時間もかかるでしょう。
そこで行政書士にお任せするということになるのですが、行政書士も仕事として行なっている以上、報酬を頂くことになります。行政書士阿部総合事務所では、民泊対応物件かどうかを判断する作業として10万円(税別)を現状頂戴しています。
民泊対応物件調査コストをどう考えるか?
考え方はいくつかありますが、実際に民泊を動かした場合には、1、2ヶ月程度の売上で消化できる金額なので問題ありません。
気になるのは、民泊には対応していない場合には、調査費用10万円が無駄になってしまうことでしょう。
ここで最初の話に戻るのですが、「事業」を新しく始める場合には、どうしても調査コストは必要になってきてしまいます。物件の調査だけではなく、民泊で儲けるためのセミナー参加費なども必要になる場合もありますし、民泊の運営を代行業者に任せる場合には初期コンンサルティング費用がかかる場合もあります。ある程度の費用を支出したうえで、その事業が事業化できるかを判断しなければなりません。その費用として民泊対応物件調査費用として考えることができるかどうか、です。
民泊対応物件かどうかは一般の方でも調査することが可能。
時間とお金はかかりますが、日本のほとんどの手続きはその人自身で行うことが可能です。訴訟でも、訴訟代理人弁護士に委任することなく自分で出来るのが原則です。しかし、時間がない、または、能力的に足りない、という二つの理由で私たちは誰かに物事を委任するのです。例えば、私が似顔絵を描いて欲しいと思っても、能力的に無理ですのでイラストレーターさんに依頼することになります。誰がか誰かに物事をお願いするということは、細かく見るとこうなっているのです。そして、そこには必ずフィー(報酬)が発生します。報酬は、なにもリアルマネーとは限りません。宣伝広告への協力であったり、協業関係構築であったり、カタチは様々です。
民泊を始めたいけれど、何から始めたら良いのかわからない。
そういう方は、そもそもお手持ちの物件あるいは入手しようとしている物件が民泊に対応しているかの確認作業をしてください。さらに、民泊に対応している場合には、民泊として運用した場合の収益も試算してみてくださいね。民泊には対応しているけれども、黒字にならない、あるいは黒字化するタイミングが遅すぎる、というのでは困りますから。
行政書士阿部総合事務所では、許認可申請の代理権が法律上認められている国家資格者である行政書士として、民泊を始めたいという方のご質問にお答えしています。相談予約はこちらからお願いします。
創業支援と資金調達に強い行政書士阿部隆昭