民泊新法(住宅宿泊事業法) の施行を来春に控えた現在、民泊を始めるタイミングに悩んでいる事業者や個人の方が多いようです。
民泊事業を新たに始めるタイミングは民泊新法施行前の今でなければならないのか?
それとも、
民泊新法施行後の方が有利に民泊を始めることができるのか?
インターネット上では民泊関連事業者が様々な情報を流しておりますが、考え方としては一つしかありません。
その前に、民泊といっても様々な形態があることは知っていますか?
マンションの一室を外国人に宿泊施設として貸すだけの民泊
マンションを一棟丸ごと借り受けて、全ての部屋を民泊として利用する形態。
どのパターンでも、民泊新法施行前の現在であれば、原則、旅館業法の許可を得なければ反復継続して業として宿泊をさせることができません。
民泊新法では、住居として利用しているマンションの一室を民泊利用することを規制しています。
ということは、民泊新法で規定していない形態の民泊を事業として行う場合には、民泊新法施行前、民泊新法施行後、何れにしても旅館業法の許可を原則得なければならないのは同じなのです。
民泊新法が施行さえすれば民泊はやりやすくなる
これは民泊新法でよくある誤解。
民泊新法が予定している民泊であれば、民泊新法施行後の方が確かにやりやすくはなります。
しかし、
民泊新法が予定していない民泊であれば、民泊新法が施行されようがされまいが変わりません。
難解な手続きである旅館業法の許可を得なければならないのです。
民泊事業を始めるには「民泊新法施行前」なのか?、「民泊新法施行後」なのか?
この質問に対する答えは、
民泊新法が予定している民泊形態を営むならば新法施行後の方が良い可能性があると言えるでしょう。
新法施行後の方が良い、ではなく、良い可能性があるとしたのは理由がありまして。
何を持って「良い」とするかも実はビジネスとして考えると難しい問題があるから。
ご存知のように、民泊新法では、宿泊させる日数を180日を越えることが出来ません。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19305061.htm
3 この法律において「住宅宿泊事業」とは、旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条の二第一項に規定する営業者以外の者が宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数として国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより算定した日数が一年間で百八十日を超えないものをいう。
365日、連日稼働させることが出来ないのです。
民泊事業に参入しやすくなったので、民泊対応に改装、リノベーションをした結果、実は利回り(投資額に対して1年に何%の収益を生み出すかを計算したもの)がよくなかったり、という可能性もあります。
空き部屋を使って一儲け!
と目論んだのに、始めてみたら180日の稼働では思ったほどの収益が上がらない。
宿泊施設の管理なんて自分できないから民泊管理代行業者にお金を払って委任することもあるでしょう。
結局、始めなければ良かった、とならないように慎重に検討しなければなりませんね。
次回は、民泊新法で予定している民泊の形態について現時点でわかっている情報を元に詳しく解説します。