特段、意図はありませんが、強いていうなら言葉が似ているというだけで。
民法上の「不能条件」と刑法上の「犯不能」を無理やり関連づけます。
まず民法の「条件」について。
停止条件は、原則、条件成就の時から効力発生。
解除条件は、原則、条件成就の時から効力消滅。
いずれも遡及効の例外あり。
参考
第127条(条件が成就した場合の効果)
停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
3 当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。
そして、不能条件。
第133条(不能条件)
不能の停止条件を付した法律行為は、無効とする。
条件成就の可能性がない→効力発生の可能性がない→すなわち無効
2 不能の解除条件を付した法律行為は、無条件とする。
条件成就の可能性がない→効力消滅の可能性がない→すなわち無条件
うーん、結び付けられそうにないけど、次、不能犯。
刑法第43条(未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
不能犯
◎不能犯とは、犯罪行為の性質上、結果発生の危険を絶対に不能ならしめるものを指す。(最判昭25・8・31)
◎殺意をもって、被害者に硫黄の粉末を飲ませても、殺人罪としては不能犯である。(大判大6・9・10)
硫黄を飲んでも死ぬことがない→絶対不能→不可罰(殺人罪としては)
◎殺人の目的で、炊飯釜中に青酸カリを入れたときは、炊いた米飯が黄色を呈し、臭気を放ち、人が食べるおそれは少ないにしても、殺人の不能犯とはいえない。
硫黄じゃなくって青酸カリなら死ぬ→絶対不能ではない→可罰
【刑法】判例で示される基準は結果発生が絶対不能→法益侵害の可能性が絶対にない→不能犯→不可罰
【民法】絶対不能が停止条件なら無効。絶対不能が解除条件なら無条件
やっぱりつながらない。言葉が似てただけだった。そもそも民法の「条件」は法律行為のハナシだし(笑
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