相続対策として遺言書を作ろうと考えている方も多いと思います。
行政書士に相談などしなくても、遺言書なんて自分で作れる。
まさにそのとおりですし、間違いありません。
行政書士に限らず、弁護士、司法書士等々の専門職に相談しなくても遺言書は作ることが出来ます。
ただですね。
作られた遺言書がその方の意思を反映し、かつ、相続争いを防ぐような遺言書になっているか、というとご本人だけで作ることが出来ないかもしれません。
これは、
遺言書を書くという行為に何を求めているかによって異なります。
終活ブームだから自分も遺言書を書いておくか。
家族がうるさいからとりあえず遺言書を書いてしまっておきたい。
こういった事情のある方は、『遺言書の書き方』といった本を書店で購入するか、インターネットにあるひな形を参考にして書いても良いでしょう。
(※いや、本当は良くないですよ。私のお客様には「それはダメです」とはっきりお伝えしています。)
しかしです。
遺族が相続争いに巻き込まれることは避けたい。
最後の最後なのだから自分の思いどおりに財産を分けたい。
だから、
遺言書を作りたい
というのであれば、行政書士などの専門職に遺言書の作成をサポートしてもらうべきです。
”そうしたほうが良いでしょう”と、フワッとしたことは言いません。
”お金を払ってでも、時間が多少かかってでも、専門職に遺言書をサポートしてもらうべきです。
なぜなら。
遺言書は書いた本人が亡くなってから効力が発生する文書。
生前に書かれた遺言書を遺族が読んでいるときには、既にこの世にいないのです。
ということはですよ。
◯◯と書いたのは、本当は△△という意味で。。。。と訂正することも出来ず。
さらに、
次男に財産を多めにあげると書いたけど、その訳は、長男には学費もたくさん援助したし自宅の購入資金も援助した。だから次男にはこの機会に多めに財産をあげようとおもう。だから遺留分を主張したりせずお父さんの言うことを守ってほしい。
といったことも自分の口で伝える事が出来ない。
だからこそ、遺言書という紙一枚がものすごく大切になってくるのです!
終活ブームだから遺言書を作ってみた。
そんなんじゃ、書かないほうがかえっていいかもしれない。
遺言書が相続争いの原因になることもあるんです!
そういった事情もすべて理解したうえでも、それでも自分で書きたいというのであれば、それはそれで問題ないです。
しかし、
そうか。。。
遺言書ってそういものなのか。。
だったら、お金を払ってでもちゃんと作ってもらったほうがいいな。
そう思われたなら、専門職にお金を支払って遺言書の作成を依頼してください。
あなたが専門職に支払ったお金は、直接的にはその専門職の生活費になりますが、一方で、素晴らしく価値があるものにカタチを変えることになります。
それは。
争いごとから解放された相続人の安心。
死後、自分の思いどおりになされるであろう自分自身の安心。
遺言書を作ることで得られるものは、「相続人の安心」であり「自分自身の安心」
宣伝みたいになるのがイヤなので、
”だから当事務所にご依頼ください”
、とは書かないです。
誰でもいいので、専門職に相談してください。
ただですね、一点だけ。
病院と同じように、専門職にも得意不得意があります。
私は遺言、相続、契約書作成を得意業務としています。
遺言書に詳しい専門職に、遺言書の相談はしてください。
これだけは絶対に絶対に守ってくださいね。