結論からいいますと、ペットに財産を相続させることは出来ません。
理由はとても簡単でして、ペットは法律上権利義務の主体となることが出来ないからです。
では、権利義務の主体って?といいますと。
会社などの、「法人」
私たち人間である、「自然人」
これだけです。
つまり、犬や猫はこれには当たらない。
だから、財産を相続できないんですね。
そうは言っても、お一人暮らしの方でしたら、自分の亡き後のペットの生活が心配でしょう。
そのために、契約のカタチをアレンジして主亡きあとのペットの生活を確保しようと考えるのです。
ペットの生活を確保するための方法は大きく三つに分かれます。
ペットの飼育を目的とした死後事務委任契約を利用する方法
通常、死後事務委任契約は人が死んだ後の葬儀告別式の手続や、入院費用などの債務の処理といったことに利用されます。
ペットの飼育を対象として死後事務委任契約ももちろん可能です。
事務のペットの飼育。
実際に契約をする場合には、飼育に必要な費用を予め飼い主となる人に渡しておくことや、飼育についての主の要望なども契約書に盛り込むことになります。
ペットの飼育を目的とした負担付贈与契約を利用する方法
生前に飼育費用等を飼い主となる人にあげる場合には、負担付贈与契約。
負担の内容は、ペットの飼育をすることです。
主の死後に飼育費用等をあげる場合には、負担付遺贈。
負担の内容は、同じくペットの飼育。
違いは、生前に渡すか、死後に渡すかの違いです。
確実にペットの飼育料等を渡したいのであれば、契約によって贈与する負担付贈与契約ということになります。
これらについても、本人の意向を確認しながら調整をすることになります。
ペットの飼育を目的とした信託制度を利用する方法
「信託」といいますと、信託銀行を利用しなければならないと誤解されている方がとても多いです。
信託制度は、数多くある契約の一つのカタチです。
ただ、少し特殊な契約であるために一般の方のなじみが薄く、銀行などの専門家?が関与しないと出来ないといった誤解を生んでいるようです。
ペットの飼育についても信託制度を利用して、飼い主となる方に飼育料等を預けておくことが出来るのです。
ペットの飼育を目的として信託を設定することになります。
「ペットの飼育を目的とした死後事務委任契約」にするか。
「ペットの飼育の負担付贈与契約」、または、「ペットの飼育の負担付遺贈」にするか。
「ペットの飼育を目的とした信託契約」をするのか。
いずれについても、現在のペットの飼い主と、将来のペットの飼い主との意向をヒアリングしながら最適な契約を提案させて頂きます。
主亡き後のペットの生活について不安のある方は当事務所にご相談ください。
行政書士阿部総合事務所
行政書士阿部隆昭