東京都北区が区内在住の全高齢者{満65歳以上(平成23年7月1日現在)の高齢者(約78000人特別養護老人ホームの入居者を除く)}を対象に、高齢者の生活・健康・地域とのかかわり等を調査したデータです。
以下のデータはその中でも「相談相手」という項目です。
【ひとり暮らし】
同居・別居の家族親族 57.9%
近所の人(町会・自治会含む)・友人 30.6%
高齢者あんしんセンター職員 3.7%
民生委員・児童委員 3.5%
ケアマネジャー・介護事業所職員 7.2%
区役所職員 4.4%
議員 1.9%
社会福祉協議会職員 1.9%
病院の医師・看護師など 11.9%
相談相手なし 11.4%
無回答 6.8%
6割近くの高齢者が家族親族に相談しているという結果。
ひとり暮らしの方が家族親族に相談する場合には、別居の家族親族ということになります。
別居といっても、自転車で5分の距離にいて頻繁に連絡が取れる。
そんな人ばかりではないでしょう。
遠く離れたところに住んでいる息子たちとは月に一度電話するかしないか、といった高齢者も多いかもしれません。
そうなると、実際に頼りになるのは、近所の人。
ご近所の人は数字以上に心強い身近な存在になっているのではないか?
そう思いました。
何でもかんでもというわけにはいかないでしょうけど、ちょっとしたことは気軽に話せるご近所付き合いを保っておくのは大切ですよね。
東京都北区で行っている「区民大学」という講座は広い分野からその時代にあったテーマを選んで講座に取り上げています。
ご近所の方が相談相手になっていることが多い以上、茶飲み友達でさまざまな問題に対する答えを共有できるといい。
現在行ってる区民大学のテーマは、「お墓や葬儀から人生と死を考える」
お墓や介護、公的な手続き、遺言などを題材にします。
私は、最終回、遺言書の講座を担当します。
参加者の一人ひとりに遺言書のことを伝える。
そのことが、ご近所のお友達にも伝わり、結果的に多くの方が遺言書について不安に思っていることや疑問に感じていることがクリアされる。
そのご近所さんの周りは遺言書のことについて正確な知識を共有できた。
不安のない社会を目指すといっても、急速には出来ませんし、一挙に社会全体に、というわけにもいきません。
一人ひとりの小さな不安を少しづつ明るいものにしていく。
積み重ねが大事だと思っています。