遺言書を開いてみたら、驚くべきことが書いてあった。
「●●は葬儀に参列させないで欲しい」
このような遺言書をお父さんが書き残されていたとしたら、相続人の皆さんはどう対応しますか?
「お父さん、何言ってるのだろう?!」
と家族で話し合い、無視してしまうのが普通だと思います。
実は、遺言書に書くことで、法律的な効力を生じる事柄は法律で決まっています。
法律の言葉で、それは「遺言事項」と呼ばれています。
「誰かを葬儀に参列させないで欲しい」
といったことは、遺言事項ではありません。
ですので、遺言書に書かれていても法律的な効力を生じません。
葬儀の参列者の希望、といったものは遺言書ではなくエンディングノートに書く方が良いでしょう。
公正証書ではなく、自分で書き残した遺言書は”家庭裁判所で開封しなさい”と法律で決まっています。(民法第1004条)
遺言書の開封手続きを待っているうちに葬儀は執り行われてしまう可能性もあるのでしょう。
であるならば、遺言書のような制限のないエンディングノートに書くべきなのです。
相続人の方がエンディングノートを発見し、その旨が書かれていれば葬儀のお知らせを発送しないことも十分可能です。
もしも自分自身の葬儀に列席してほしくない人がいるのであれば遺言書ではなくエンディングノートに書いたようがいいですよ。
エンディングノート実践家 行政書士阿部隆昭