ノーベル賞の創設者のアルフレッド・ノーベルの遺言書の公開が話題になっています。
ニュースでは「遺言状」と書かれているのですが、法律の勉強を一通りしてきたものとしては、なにか違和感はあります。
遺言状は、法律の世界では「遺言書」
遺言状(ゆいごんじょう)と言うことはほぼ皆無です。
ノーベル財団によると、ノーベルは1895年11月27日、パリで遺言状に署名。この中で、自身の遺産の大半を運用して基金を設け、その利子を物理や化学、平和推進など5分野で貢献した人物に賞という形で毎年還元するよう求めた。
死後に遺言状を読んだ家族は賞の創設に反対し、ノーベルが授賞を要請した団体にも拒否されたため、授与の開始は死去5年後の1901年にずれ込んだ。
どうなのでしょう?
著名人の遺言書だからといって特別、読んでみたいとは思いません。
ニュース記事にあった情報の中で気になったのは、家族の反対があったということ。
遺言書に対する当地の法律がどうなっているのかは分かりませんが、家族の反対があったとしても遺言を執行する方がいたからこそ財団を作ることができた。
1895年11月27日、財産の大部分をあてて国籍の差別なく毎年授与するノーベル賞を創設するとした遺言状に署名した。税と個人への遺産分を除いた全財産の94%、3122万5千スウェーデン・クローナを5部門のノーベル賞創設に割り当てている。これは当時の為替レートで168万7837ポンドに相当する[11][12][13][14]。ノーベルの莫大な遺産の相続をめぐって、兄弟やその子達が当然のようにトラブルを起こしたために指名された相続執行人は苦労した。ノーベル本人は1890年に起こした訴訟の経験から弁護士を信用しておらず、直筆で自分だけで遺言状を書いたために遺書の内容には矛盾点が多く、このことも相続執行人を悩ませた。
相続執行人というのが、日本でいう遺言執行者と同じ地位にある人なのかは分かりません。
直筆で自分だけで遺言状を書いたために遺書の内容には矛盾点が多く
この部分は日本の遺言書と同じですね。
自筆証書遺言(自分一人で完成させるタイプの遺言書)は、方式違背で無効になる可能性もあります。
多額の遺産がある人もない人も、争いを避けたいという気持ちは同じ。
残された者に迷惑をかけるような遺言書は残したくないですね。