遺言執行者が就職を承諾した時には、直ちにその任務を行うのは法律上の義務として規定されています(民法1007)
遺言執行者とは、執行の必要性がある遺言について相続人の代理人として活動する人のことです。
公正証書遺言ですと遺言執行者を定めている例は珍しくありませんが、自筆証書遺言だとまず定めていない。
というか、一般の方で遺言執行者の制度を理解されている人がどれだけいるかというとかなり疑問です。
遺言執行者は、遺言の内容の有効性の検討もさることながら、遺言の撤回がなされていないのか確認をする必要があります。
公証人と話したのですが、これがまた難しい。
公正証書遺言の有無を確認してそれで終わりならコトは簡単なのですが。
平成元年1月以降(地域によって差があるようなことも聞いたことがあります)になされた遺言については公証役場の検索システムで照会ができる。
問題はそれ以外の遺言書の場合。
相続人たちにヒアリングする他に確認する手段はないでしょう。
もしも、公正証書遺言で作成した後に、自宅に帰って後日自筆証書遺言を残していたとしたら、公正証書遺言と抵触する部分は法律上撤回したものとみなされます。
ところが、自筆証書遺言が誰にも発見されない場合には、法律上撤回されているのですが、事実上自筆証書遺言は無視されてしまう。
おそらく、こうして闇に葬られている遺言書って世の中に結構あるのではと思う。
改ざんのおそれがあるので、あまりにも見つかりやすい場所に遺言書を置くことは通常しないでしょうし、
そうかといって、誰にも見つからないように座布団の中にしまっておいても遺言書としては意味がない。
見つからなければ意味がないという点で自筆証書遺言の作成は悩ましい。