自分で一人で作る遺言書は何が問題かといいますと、完成品を誰にもチェックしてもらえないこと。
もちろん、そうなのですが、それ以外にも大切なことが実はありまして。
個人の状況に合わせた適切な文章が思い浮かばないといったこと挙げられます。
また、思い浮かんだとしても、それが法律的に正しいものに仕上がっているかどうかもわかりません。
なにせ、チェックする人は自分以外にはおりませんから。
自分一人で完成させるといった趣旨の遺言書キットも多く発売されていて、そこには記載例の他に、封筒や便せんなどもセットになっていて、それだけあれば遺言書が作れるようになっています。
そうして作られた遺言書は確かに遺言書としての体裁はかろうじて保っているかもしれません。
しかし、本人が伝えたいことが余すところなく伝わった遺言書になっているかは疑問です。
なぜなら、いくら本に書いてある記載例を真似て書いたところで、それはあなた自身の事例とは全く異なります。
ましてや、実現してほしいことや、伝えたい事とは全く違うはずです。
遺言書を書き残すという行為は、遺言書としての体裁が調った文書を残せばいいというものではありません。
遺言を通じて伝えたいことがしっかりと伝わってこそ遺言書なのです。
単に書き残すだけではない、『伝わる遺言書』であることが必要なのです。