結論からいいますと、ビジネスシーンでの「もちろん」という言葉は不要だと考えています。
もっと言いますと、有害でさえあると。
というのも、「もちろん」に続く言葉として、
「もちろん、そんなの決まってるじゃないですか!」
「もちろん、弊社にとっては当然のことです、いまさら何を言うのですか!」
といった
言語として表れていない、隠れている言葉を連想させるから。
「もちろん」を言われた側は、「あっ、当然のことを聞いてしまってすいません。。」といった印象に少なからず陥ることになります。
「もちろん」に続く言葉、続くであろう隠れている言葉は、表面に出さなくてもいいし、他の言葉で言い換えができるはず。
さらに、「もちろん」は、「もちろん」を言う側にとって当然のことだけれど、「もちろん」を言われた側にとっては当然のことではなく、コミュニケーションとして双方で対等の関係性を、一方的に奪うことになると私は考えています。

例えば、あるサービスの契約の際に、
「このサービスですが、例えば「A」という事態になったときに同じようにサービスは受けられますか?」
といった質問をしたとします。
質問者は、わからないから、だから尋ねています。
それに対して、
「もちろん、Aになったとしてもサービスは受けられます」
と言った場合。
「もちろん」を言わずに、例えば。
「ありがとうございます。よく疑問に思われる方がいらっしゃるのですが、「A」という事態になったとしてもサービスは同じように受けられることになりますのでご安心ください。」
前者と後者、どちらが「もちろん」された側の心象が良いでしょうか?
私は、後者だと考えています。
ですので、ビジネスシーンだけではなく、日常会話としても「もちろん」を排しています。
もっと”すごい”方は、「もちろん」のダブルで、「もちろん、もちろん!」とされる方も珍しくありません。
顧客は、サービス提供者に何も言わずに、サイレントに離れていきます。
今回は、あくまで私自身は「もちろん」はビジネスシーンでは要らない、と考えているだけで、「もちろん」で問題ないとされる方を否定するものではないです。
行政書士阿部隆昭