ある観光地の商店街を歩いていたときに、A型看板が目にとまりました。
「当店の感染防止策の取り組みは。。。」
だけが書かれており、メニューらしきものは一切ナシ。
なるほど、と思います。
同じサービス、同じ物が顧客から比較されたとき、顧客の選択肢の一つとして感染防止策が新しく登場したのですね。
ソーシャルディスタンス、換気、除菌、マスクなど、顧客を集めるビジネスではもはや必須の取り組みになりました。
「新しい日常」と、よく言われますが、これも新しい日常。
新しい日常を生きる私たちとしては、サービス提供者側は、顧客獲得手段としての感染防止策も考える時代となりました。
この店は感染防止策に積極的ではないと判断された場合、サイレントで顧客が離れていく可能性が考えられます。
顧客から、「この店は、感染防止策はどうしてますか?」と来店前に聞くことはないでしょう。
ですので、サービス提供者側から積極的に感染防止策をアピールすることが、新しい顧客獲得手段となり得るのです。
「感染防止策に取り組んでいます」
と、顧客に周知する取り組みは、実は、補助金の対象経費としても認められています。
この話には実はオチがありまして。
その商店街、仮に、海鮮の飲食店としましょう。
同種の店は、その短い商店街の中に二店舗のみ。
完全防止策に取り組み、ソーシャルディスタンスを保つために、席数を半分以上に削減している店のは行列もまばら。
店舗前に距離を保って3組ほどまばらに並んでいるだけです。
もう一つの店舗は大賑わいで、予約なしのお客さんは途中から断っているほど。
店舗前には、新しい日常前の当たり前の行列です。
外からのぞいてみると、パーテションなどがないカウンターはびっしりのお客さん。
店の規模感からすると、席120、夜の遅い時間帯ですが、満席。
感染防止策を気にする必要がないほどの美味さなのか。
観光地なので、大抵のお客さんは、この機会を逃すわけにはいかないと、多少のリスクも甘受して美味さを求めるのかもしれません。
とはいえ、感染防止策に取り組むことは業種業態問わず、必須となる時代です。
私たちが飲食店を利用するときも、少なからず気にかけるでしょう。
「顧客から選ばれる店になる」
とは、まさにそう。
感染防止策の取り組みをしているかどうかが、顧客側のサービスの選択肢として新しく登場したという事実。
「感染防止策をしていますか?」と顧客から聞かれることはないので、積極的に周知することが必要である。
今回はこの二点をお伝えします。
行政書士阿部隆昭