”依頼してはみたけれど、相談してみたら思っていた印象と違った。”
誰にでもあることだと思いますし、私にもあります。逆の立場で言えば、
ある事業者から補助金申請業務を受任し、融資の打ち合わせのため金融機関にも同行し、諸所の打ち合わせで数十時間使ったのち、「懇意にしている税理士事務所に立ち寄ったところ補助金申請はうちでもやっていると言われたから、そっちにお願いすることにした」という軽い感じのお断り電話を「金字塔」で焙煎塩そばを堪能しているときに受け取ったことがあります。
最近、といいますか、これまで業務を行ってきて最もひどい断れ方ですね笑
正直、凹みました。こういうことってあるんだなあ、と感慨深かったです。
何の悪気はないのかもしれませんが、オトナとして、コレは絶対に止めたほうがいいです。された相手には悪印象しか残りませんので。
行政書士に限らず、私たち「士業」と呼ばれるサービス業は時間を切り売りしてお金に変えています。
先ほどの例で言えば、30時間を切って売ったはいいけれども、一円にもならなかった、という結果がだけが残ります。
つまり、価値のある時間を切り売りしてもらった以上は、無料と謳っていない以上は対価を支払ったほうがよいでしょう。途中でお断りするのであれば。
さて、専門家に依頼した案件を途中で断る場合のウマいやり方は、
「理由を伝えて断る」
これが結局のところ一番いいと思います。
「税理士の事務所に寄ったらうちでもやっていると言われたから」も理由だから良いのでは?
と思われるかもしれませんが、ここで言う「理由」は、双方が納得できる合理的理由のことをいいます。
なので、コレは理由にはなりません。
例えば、
「金額的にやはり折り合わない」
「近親者にどうしても反対されている」
「もう少し自分でも考えてみたい」
といったような理由であれば納得がいきますよね。
もちろん少しは方便かもしれませんが、それはそれで良いのです。
オトナの世界ですからね。
あまり良くないなあと思うのは、フェードアウトすること。
音沙汰なし、というのは専門職としても、事件をどう処理してよいか分かりませんし、その後の関係性を作ることもほとんど出来ないでしょう。
コレをされたら自分だったら嫌だなあ、という断り方をしないように気をつけるだけで良いのかもしれませんね。
いずれにしても、これ以上案件をお願い出来ないときはしっかりと理由を告げるのも一つの方法だということは覚えておくと良いと思います。終わりを丁寧にしておくことを、オトナの所作として身につけておきたいですね。
解決支援コンサルタント行政書士阿部隆昭